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払い戻し、席移動の要望にはどう応えているか

――「困ったクレーム」などもあるのでしょうか。

高木 クレームはよくあります。本当に「映画が思ってたのと違った」とか「つまんなかったから」という理由でカネ返せ、という人がたまにいるんですよ。「寝ちゃったのでもう1度」とか。

 でも、チケットを購入する時に「規約に同意する」というボタンが表示されると思うんですけど、この規約に「払い戻しお断り」って明記されているんです。お客様にとって不快なことがあったり、何かの理由で上映が中止になっても、基本的に払い戻しはしません。でも、コロナ禍ではそのあたりが多少ゆるくなって、不測の事態で払い戻す事例は増えていると思います。

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「迷惑客がいるので席を変えてほしい」というお客様もいますね。最近多いのは、上映中ずっとスマホを見ている人。光が出るので、目に余るようだったら巡回スタッフが声をかけるようにしています。

 客席でイチャイチャするお客様もいますけど、それを見て不快に思うかどうかはお客様次第ですよね。それを理由に「嫌だから席変えて」と言われたら、満席でない限りは対応しています。

「NO MORE 映画泥棒」の映像で隠し撮りは減ったけど……

――法に触れるようなことをするお客さんもいるのでしょうか。

高木 もう何年も前から、上映前に必ず「NO MORE 映画泥棒」という映像が流れるじゃないですか。そのおかげで隠し撮りはめったにないんですけど、今でもたまに盗撮犯が出ることはありますね。

『「鬼滅の刃」無限列車編』の初日とか、隠し撮りをしていた方がいました。こちらも警戒はしてるので、そういう方を見つけたらすぐに声をかけて退場してもらいます。とりあえず、機材をチェックして、その場で全消去。素直に消していただければ解放しますけど、そこで暴れたり、消さないような人は警察に来てもらいますね。

 あと、音声を録音している人も割といるみたいです。これは機材も小さいので気づきにくいんですけど、ボイスレコーダーの忘れ物で発覚したことがあって、意外とやってる人が多いんだと思います。

 忘れ物で多いのは、ハンカチとかタオル。雨の日は傘。スマホを忘れる人もたくさんいます。トイレには、服とか、お土産物とか、謎の忘れ物がたくさんありますね。ハロウィンの時期は、トイレに着替えた服を忘れる人が増えるんですよ。マーベル系の映画の初日とか、コスプレをして鑑賞される方がけっこういて、その衣装とかも忘れ物になってますね。

 コスプレは他のお客様の迷惑にならない限りは止めようがないんですけど、だいたい上映後にロビーで撮影会が始まるんですよ。みなさんテンションも上がってるので、なかなか帰ってくれない。警察沙汰になったことはないですが、度が過ぎるなと思うことはたまにあります。