新型コロナウイルスの感染を防ぐために外に出かけなくなったこともあり、ここ1年「Netflix」や「AmazonPrime」などのサブスクの動画配信サービスを使って自宅で映画を観る人が増えています。
映画館のお客さんは減少傾向なので、今、映画館に足を運んでくれるお客さんは神さまといっても過言ではないでしょう。
しかし、そんななかでも招かれざる客もいるようで……。新宿の映画館で働くスタッフの高木亮太さん(仮名、以下高木)に困ったお客さんについて聞いてみました。
(取材・文=素鞠清志郎/清談社)
バイトの登録者は200人弱から150人くらいに
――高木さんが働いている映画館の現状を教えてください。
高木 僕が働いているシネコンは新宿にあることもあり、客層は幅広いです。
午前中は年齢層が高めで、昼間になると若い人や学生が増えてくる。夕方くらいになると、老若男女、あらゆるお客様が来られます。新型コロナの流行で数は減りましたけど、外国の方も一定数は来てますね。
僕が働いているシネコンは、10スクリーンくらいあって大きいほうなので、バイトの登録者は200人弱はいました。コロナ以降は少し減って150人くらいですね。3月はもともと就職のタイミングで辞める人が多いんですけど、新しい人を補充してないという感じですね。バイトに加えて、4人~5人の社員さんで回してます。
酔っぱらいに吐かれるのがいちばんキツい
――定番の「困ったお客さん」にはどんな方がいますか。
高木 コロナ前は金、土、日、祝前日はレイトショーがあって、電車乗り過ごした人とか、酔っぱらいが来てけっこう荒れましたね。
酔っぱらいはロビーで大声を出すくらいならまだマシで、客席で吐いたりされるのがいちばんキツい。僕らは「G」って呼んでるんですけど。上映中だと、清掃用のパウダーを撒くくらいの応急処置しかできないので、終わってお客様がいなくなった後に処理します。シートを汚されるとクリーニングが必要なので、本当に困りますね。
Gに比べたら、ポップコーンをぶちまけるくらい可愛いものです。たまに買ってすぐにポップコーンを落としてしまう人もいますけど、ウチはアクシデントでこぼしてしまった場合は作り直してお渡しするスタンスなので、言われれば対応しますよ。
それから、これは不思議なんですけど、暖かくなり始めるとヤバい人が増えますね。春になると、映画見ながら踊りだす人とか、ズボンを脱いで場内を走り回る人とかが出てくるんです。そういう人は対応できないので、すぐに警察を呼びます。グッズ売り場にある量り売りのお菓子を勝手に取ってムシャムシャ食べていた人もいて、それもすぐ警察を呼びました。