「女性というには…」森喜朗、差別発言を再び
政治家ともなれば、その発言はより慎重さを求められる。日本中の注目を集めたのが東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長・森喜朗の「女性蔑視」とされた発言だ。
日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会での「女性っていうのは競争意識が強い」「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」「組織委員会に女性は7人くらいおりますが、みなさん、わきまえておられて」という発言は、国内外から厳しい批判の声に晒されることになった。
森氏は謝罪会見を開いて発言を撤回している。ただしこの謝罪会見でも性差別発言について詳しく聞かれ、「面白おかしくしたいから聞いてんだろ?」「最近、女性の話は聞かないからあんまりわかりません」と怒りを露わにするなど逆ギレした挙句、組織委員会会長を辞任したのは周知の通りだ。
もっとも、こうした意識はすぐに変わるものではないようだ。森氏はこの3月にも、河村建夫元官房長官のパーティーで挨拶に立ち、河村氏の女性秘書について「女性というにはあまりにもお年なんですが」と発言。またも問題視されている。
五輪関連では、開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクター・佐々木宏氏が、開会式に出演予定だった渡辺直美を豚に扮装させる「オリンピッグ」の演出アイディアをチーム内のLINEに送っていたことも報じられた。
本来はクローズドな場での言葉ではあるが、他のメンバーからは「面白くない」「女性をブタに例えるなんてありえない」「一時的なアイディアとしても、言うべきじゃない」とたしなめられたという。
これだけが理由ではないものの、最終的に佐々木氏は辞任。騒動に巻き込まれた渡辺の「見た目を揶揄されることも重々理解した上でお仕事をさせていただいております。実際、私自身は、この体型で幸せです」「しかし、ひとりの人間として思うのは、それぞれの個性や考え方を尊重し、認め合える、楽しく豊かな世界になれる事を心より願っております」という“大人”なコメントが称賛を集めた。
自分や他人の容姿をイジることで笑いを取ることは、お笑いタレントにとっては常套手段だったが、この風潮にも変化の波が押し寄せている。
お笑いトリオ・3時のヒロインの福田麻貴は、自身のTwitterで「私達は容姿に言及するネタを捨てることにしました!」と表明している。直接的な言葉を避けているが、これは言うまでもなく「ブス」や「デブ」といった自分たちの容姿をネタにした自虐ネタのこと。3時のヒロインの最大の武器だったことはファンの間ではよく知られている。
他にもお笑いコンビ・尼子インターの誠子なども、「容姿をいじるネタはやめました」「ブスって直接言うことも、もうないです」と宣言している。