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問題視されやすいCMやキャンペーン

 不特定多数の消費者を相手にする企業にとってもポリティカル・コレクトネスは重要な課題となっている。先日は『報道ステーション』のWEB用PR動画が物議を呼んだばかり。CMでは若い女性が登場し、「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかってスローガン的に掲げている時点で、『何それ、時代遅れ』って感じ」というセリフを口にしていた。テレビ朝日はこのCMを削除しTwitterに謝罪文を掲載している。

 今年3月にはファミリーマートが発売したプライベートブランドの女性用下着に関して、色の表記を「はだいろ」と記載したことが社内や加盟店から問題視され、自主回収する騒ぎも起きている。

©iStock.com

 同じくファミリーマートでは、同社が展開する惣菜ブランド「お母さん食堂」が、「料理は母親だけがすると前提にしている。女性差別だ」と指摘されたことも。きっかけはこの名称に疑問を抱いた3人の女子高生がオンラインで7576人の署名を集め名称変更を迫ったもの。女子高生たちの疑問は正義感から生まれたものだろう。ところがこの問題提起は、ネット上では逆に多くの批判にさらされ、高校生たちへの誹謗中傷が飛び交った。

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 現代の企業には、事前にリスクを察知して回避する能力も必要とされている。実際、問題化する前に自主的な判断で動く企業も増え始めている。

 花王が働き方改革や家事分担について提唱した「#BeWHITE」プロジェクトが社内で問題視され、公開後すぐにキャンペーンを取り下げている。炎上したわけでも消費者から問題視されたわけでもなく、あくまで社内の自主判断だった。

 また、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは、今年3月からパレードやショーの案内などに使用していた園内アナウンスの「レディース・アンド・ジェントルメン、ボーイズ・アンド・ガールズ」を「ハロー・エブリワン」などの表現に変更している。性的マイノリティの来園者などに配慮したものだ。