「再調査はテレビのニュースで初めて知りました」
一連の発表を受けて、爽彩さんの遺族が文春オンラインの取材に応じた。遺族は「再調査に期待する一方で、第三者で作る委員会がどのような調査方法をとるか、不安です」と明かした。
「西川市長が会見をした日の前日に、爽彩の母親は弁護士を通じて、『明日、市が総合教育会議を開き、爽彩さんの問題について何らかの対応をする』ということを聞いていました。実際に、第三者委員会を設置し、再調査を開始すると決まったことは会見当日の夜、テレビのニュースで初めて知りました。市の教育委員会からは翌23日に弁護士を通じて連絡があり、改めて『イジメがあったか調査する』と伝えられたそうです。
ただ、母親が不安に思っているのは、その調査方法です。まだ具体的にどのように調査するかは知らされていませんが、当時の関係者への聞き取り調査が行われるのだとしたら、イジメがあったのは今から2年も前のことです。詳細を加害生徒たちは覚えているのでしょうか。記憶が曖昧になったりして、事実とは違う証言が飛び出し、情報が錯綜してしまうかもしれません。また、都合の悪いことについては、ごまかしたり、黙秘を貫くこともあり得るのではないでしょうか。
自慰強要が記載された「調書」の開示を学校は3度も拒否
第三者委員会の方にむしろ注目してほしいのは、2019年6月から8月にかけて、Y中学校が加害生徒から『イジメの有無』について聞き取った調書です。これはA4用紙30枚ほどからなる冊子にまとまっているはずで、爽彩がわいせつ画像を拡散されたことや、イジメグループに公園で囲まれて、自慰行為を強要されたことについて、加害生徒らが証言した内容が記載されているとされます。
なぜ、その調書の内容について、曖昧な言い方しかできないかというと、これまで母親は学校と教育委員会の双方に対して、この調書の開示請求を3度行ってきましたが、すべて拒否され、我々はその内容を一文字も知ることができなかったからです。