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2021/06/08

「なんでそんなの見せるの」と抗議しても、友人は事の重大さをあまり理解していないようだったし、何よりもすでに下着姿の写真を意図せず異性に見られてしまっていて、画像はその場で消させたものの、何を言おうとそのときはもう手遅れだった。

 そしてこの友人の行為は、私だけでなく、共通の知人男性たちへの性的加害でもあると思う。普段コミュニケーションを取る上では絶対に見ることのない関係性の人間の身体を突然見せつけられることはもちろん暴力的であるし、写真を見せることで、本人たちの意図に反して、まるで「性的な加害行為の片棒を担いでしまった」かのように錯覚させ、ばつの悪さを感じさせてしまう可能性も否定できない。

 友人の女性にとっては「話のタネ」くらいの感覚だったのかもしれないけれど、この出来事は10年近く経った今でも、私の心に傷となって残っている。

対応が後手に回りがちな同性間の性的加害

 こうした同性間の性的被害は、現時点では異性間のものよりもさらに理解が得られづらいように思える。私のツイートへの反応のなかには「友人を選べばいいだけ」「類は友を呼ぶ、だからほんの一部でしか起きてない話」などといった、被害者にとってセカンドレイプにつながる意見も少なくなかった。

 しかし、実際は多くの人が同性からのセクハラや性的加害を経験していて、さらに学校や職場など集団行動が強いられる場面では、こういった加害を避けることはほとんど不可能であるし、そもそも原因を被害者に求めるのは間違っている。

 同性間の性的加害について注意深く見ていくと、異性の気をひくためにやっているケースもあれば、単純に「コミュニケーション」の手段として用いられている場合もある。

 例えば、バラエティ番組で芸人同士が「○○の性器はどんな大きさ・形状をしているか」といったような話題で盛り上がっているのを見たことはないだろうか。これは日本における陋習だと思うけれど、個人の身体的特徴を公衆の面前で暴露することが「おもしろい」とされている文化、風習はテレビの世界だけでなく、あらゆるコミュニティにおいて、いまだ根強く残っている。

 他にも「童貞いじり」や、性的交友関係を暴露するなど、本人が公開していない情報を公にさらされることもれっきとした加害行為だという認識が世間一般に広まらないかぎり、このような被害は減らないのだと思う。