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「その人が持つ、健康に対するリスク」をお金に換えるベンチャーが花盛り

 最近では、コロナ禍で仕方なく進んだオンライン診療を「恒久化する」という方針になりました。ただし、オンライン診療については対面診療と比べて診療報酬を当面は抑えた金額にする(オンライン診療では安い診療報酬しか医療機関はもらえない)方向で調整が進んでいます。

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 ところが、世界に目を向けるとあらゆる国でこれらの医療情報を利活用する「ヘルスケア情報のバブル」ができていて、ここに生命保険など「その人が持つ、健康に対するリスク」をお金に換えるベンチャーが花盛りになっています。もちろん技術革新がベンチャー企業の発展とともに進んでいくのは素晴らしいことなのですが、本人に自覚なく健康のリスクを抱えている人からすれば、知らない間に生命保険に入れなくなっていたり、割高な保険料を提示されたりする差別を受ける可能性が非常に高くなります。

 また、遺伝情報も含めてその人の病歴・既往歴に関するデータは非常に価値の高いもので、これらが例えば中国資本の世界的な健康保険企業にいったん流れてしまうと、中国政府や共産党によって活用されてしまうことにもなりかねません。

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 これらの遺伝情報の中には行動遺伝学的に神経質だったり外交的だったりする個人を推測・特定する因子も入っており、言い方は悪いですが「その人にこういう刺激やストレスを与えた状態で情報を提供すれば信じる可能性が高い」というような利用のされ方も容易に想定されます。家庭環境や決済情報、経済状況、信用スコア、健康情報といった私たちの生活に関わるデータを安心して預けられるようにするには、適切な法律と、それを政府が国民の自由を脅かさないようなやり方できちんと運用する必要があります。

どうしたら世界経済の中で日本がその地位を守ることができるのか

 果たして、いまの日本政府にそういった世界的な状況も踏まえた日本人を守るための行政を統括することができるのか。なんかこう、なんとも心許ない気持ちもないではありませんが、しっかりとこの方面の対策を政府に考えてもらい、国民が政府を使っていく方向へシフトしていかざるを得ないのではないでしょうか。

 どちらかというと、反権力、反政府を旗印にするリベラル勢力は、政府がどうあるべきかよりもいまの政府をいかにチェックし、批判するかに偏り過ぎている気もしますし、いまの政府も某省庁の接待攻勢で偉い人が軒並み失脚してしまったように業者との関係が近すぎるように思います。

 どうしたら、デジタル化が進みデータ資本主義全盛の世界経済の中で日本がその地位を守ることができるのか、考えるべき時期になっているよねと思うのですが、まずは国民みんなで菅義偉さんに「お出かけのときは良い靴を履こう」とお願いするところからスタートする形になりますでしょうか。

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