文春オンライン

もはや「政府を監視する」よりも「国民を守るよう政府に働いてもらう」時代に

TikTokやLINE、GAFAなどに対して国民が自衛できなくなっている件で

2021/06/15
note

「日本政府、もっとしっかりしろよ」

 先日、漫画の海賊版配信で摘発された「漫画村」の主宰者の被告の1人は懲役3年の実刑判決となりましたが、いま問題となっている新たな海賊版サイトはこの「漫画村」を凌ぐアクセス数を稼ぐようになりました。概ね首謀者は掴めているものの、日本の司直の手がなかなか及ばない国・地域で業務を行っているとされています。日本人や日本企業、日本政府を相手に犯罪を行ったり攻撃をするんだけど、日本の法律が及ばない海外でサーバーを立て、防弾ホスティングなど「そこにいる」とはすぐには分からない防御を構築し、それを突破されてもいきなり日本政府が逮捕するのはむつかしいところで利益を上げているわけですね。

 そうなると、やはり「日本政府、もっとしっかりしろよ」という話になります。

©iStock.com

 海外のハッカーによる犯罪や、下手をすると中国など政府の支援を受けた攻撃によって情報漏洩をしてしまうケースはもちろん問題です。ただ、日本国内では豪放なGAFA問題やクレジットカード会社の決済においても、日本人の情報が利活用され、分析されて広告やネット配信業務で利益を上げられているのに、問題が起きたとき日本法で対処されないどころか、日本で法的措置や裁判を起こしてもなお対処されないケースがあることもまた、知っておく必要があります。結局、これらの問題を包括的にどうにかしようとすると、日本政府の機能を強化するために法律を作り、それらを厳格に運用していくことでしか守れない側面はあるのでしょう。

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 6月7日には、フランス規制当局がGoogleに対し、オンライン広告で自社を優遇して他社広告の配信が不利な状況に置かれていたと認定して、制裁金を科す決定を下しました。Google側も問題の所在を認めて、話し合いの末に制裁金の支払いに応じ問題解決をすると発表しています。

仏 グーグルに約290億円制裁金 オンライン広告で自社優遇 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210608/k10013073021000.html