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現金を持たず、スマートシティを活用するサイバー社会の中国

 中国といえば日本を超えたサイバー社会であることは知られているところです。

 キャッシュレス決済サービスが広く普及し、現金を一切持たなくても買い物はできるし、バスも地下鉄もシェアサイクルも乗れる。ショッピングサイトでの買い物も有料動画視聴もクレジットカードなしでできるし、公共料金も支払える。さらに街中の道路やバスや駅などにカメラが設置され、スマートシティによって人や車の流れが把握されています。救急車を誘導するのもパトカーを誘導するのも要注意車両を把握するのも、コントロールルームから簡単にできるようになりました。

 そんな積み重なったサイバーインフラが豪雨で使えなくなったのです。気になりますよね?

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鄭州でインターネットが使えなくなる(出典:梨視頻)

 現地在住者の微博からのつぶやきによると、豪雨からしばらく、インターネットの信号がほぼなくなり、5Gでも4Gでもなく2Gが生命線になったとのこと。ゼロではないが限りなくゼロに近く、回線速度でいうと2kb/sという表示があるかないかくらいだそうです。たまにうまくいってメッセージングアプリの微信(WeChat)からテキストだけのメッセージが送れたといいます。

大型緊急災害救助型無人機「翼龍-2H」を出動させるも……

 建物の低層階はちょっと電波状況がいいそうで、「今は下は電波がありましたか?」が挨拶になっていたという人もいました。とはいえ高層マンションですから家から移動するにも夏の停電中のビルの階段を上り下りしなければならないわけで、繋がるかもしれないネットを求め運動をしたという人は見つからず。しんどいですからね。停電しているので充電できず、スマートフォンのバッテリーが尽きてしまうのも困る。

 中国は大型緊急災害救助型無人機「翼龍-2H」を基地局として出動させて、電波がつながるよう努力はしましたが、「中国は翼龍-2Hを出した、素晴らしい!」というメディア論調に対し、急に接続がよくなったという被災者の絶賛ツイートは確認できず、単なるアピールにとどまったようです。