秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんのご結婚については、今なお国民のあいだでさまざまな議論が巻き起こっています。「文藝春秋」は秋篠宮家の内実を報じてきました。秋篠宮さまと親交の深い江森敬治氏(毎日新聞編集委員)による「花ひらく『秋篠宮流子育て』」(「文藝春秋SPECIAL」2012年春号)を特別に全文公開します。(全2回の2回目/前編から続く)
(※年齢、日付、呼称などは掲載当時のまま)
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皇族だから「学習院ありき」では決してない
長い歴史と伝統に支えられた皇室は、ともすれば「先例主義」「男性中心」に陥りがちだ。しかし、宮さまは少し違う。眞子さまが国際基督教大学に進学したのも、悠仁さまがお茶の水女子大附属幼稚園を選んだことも、その根底には、まず本人の希望や子供にとってなにが望ましいかを優先させたいという宮さまの柔軟な方針を見て取れる。皇族だから先例どおり「学習院ありき」では決してないのだ。
また、公的な活動においては男性皇族と女性皇族の違いはまったくない、両者は基本的に平等なのだという宮さまの考え方も、「男社会」の皇室においてはユニークなものだといえよう。男女平等の考え方は、悠仁さまが生まれ、成長しても変わらない。「上の2人の娘と同じように接したい」「3人の教育方針は変わらない」と宮さまは発言している。
長くて深い皇室とタイ王室との親交
「秋篠宮流子育て」のもう一つの大きな特徴は、視野が広いということだ。子供たちに積極的に海外体験をさせたいと考えている点である。宮さまは20代の頃から、魚やニワトリ研究のフィールドとしてタイを頻繁に訪れている。タイでは地方でも「プリンス・アキシノ」はよく知られている。長くて深い皇室とタイ王室との親交も、その背景として忘れてはならないだろう。
平成15年8月、夫妻と眞子さま、佳子さまの4人で約2週間、タイを訪問した。タイ王妃の誕生日祝賀と宮さまの名誉学位授与式への出席が主な目的だった。宮さまは小さい頃に、家族一緒に外国を訪問した体験はない。