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未来が全然明るくねえじゃんかよ

 岸田文雄政権誕生後、日本株が盛大に売り込まれてオケラ街道をとぼとぼ歩む個人投資家がたくさん出現しているわけですが、世界的に見てもエネルギー高騰ショックやアメリカ株の変調などもあって、株価下落の責任全部が全部岸田さんのせいだというつもりはありません。ただ、あまりにも冴えない経済政策を岸田さんが発表するもんで、みんなしょんぼりしている状況なんじゃないかと思います。未来が全然明るくねえじゃんかよ。

 その最たるものは金融所得の課税強化のところでして、みんな「ゲゲェ」と思っておるわけです。もちろん、このアイデア自体は長らく岸田文雄さん自身が務めた自民党・政調会長時代からの主張の一つで、同じく自民税調との間で金融所得への課税を進めようとする岸田さんと羽交い絞めで止める自民党員の間の対立とも言えないこともない歴史が思い出されます。

 まだ金融所得の課税強化については具体的な数値などの細目は決まっていませんが、たぶん現行20%からの引き上げを2022年度の税制調査会で目指す調整を始めるのではないかと予測されています。おい、マジでやるのかよ。

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「頑張っても不利」になりかねない

 これまでは、日本経済全体が「貯蓄から投資へ」の流れの中で、みんなで仲良くiDeCoやNISAで積み立てて、「目指せ! 老後資金2000万円!」「人生100年時代の到来や!」とか頑張っていたところに、株価上昇の原動力でもある投資家の投資収益に対してドカーンと課税強化となれば、当然のことながら相場に流れ込んでくるカネは減ってしまいかねないのも自明であります。大丈夫なんですかね。

 これは、いままでどちらかというと立憲民主党や共産党のような左派野党が主張していた政策で、富裕層への課税強化の道筋であることには変わりありません。というか、立憲民主党も数合わせの候補者調整で共産党と野合するぐらいなら、お前らの政策と合致してる岸田政権応援しろよ。いろいろ捗るぞ。

 ただ、岸田政権が金融課税の強化を進めるならば、いま資産を持っている人は引き続きまあまあ有利である一方、これから若い人や起業家が頑張って資産を形成していくぞって観点からすると「頑張っても不利」になりかねないので、イノベーションによる経済合理性の追求や経済成長そのものにはマイナスの影響があるのは間違いありません。それでも岸田さんが「成長よりも分配をするんだ」と主張するなら止めませんが、問題は、これらの経済政策を目玉に選挙戦を戦うにあたり、自民党のマニフェストや公約を取りまとめるのは、新政調会長に就任した高市早苗さんです。