移動するだけで勝手に貯まる!アメリカ発の“新しすぎるポイント”の日本上陸
果たしてネットショップのポイント合戦は、どこに向かうのか。
そのヒントが、アメリカで人気を博している「マイルズ」にある。移動するごとにマイルが貯まるという新しい概念のサービスは、すでに100万人の会員を獲得し、今年8月に日本でもサービスインされた。
仕組みは至ってシンプルだ。アプリをダウンロードすると、ユーザーの移動手段をAIが自動で判別し、勝手にマイルを貯めてくれる。マイルが一定数貯まると映画やレンタカー、飲食店の割引チケットなどを入手することができる。
面白いのは、付与するマイル数が移動手段によって異なる点だ。車に乗って移動した場合は1倍、電車は3倍、自転車は5倍と、移動手段によってマイルの還元率が変わる。環境に優しい移動手段を選択した人が、より多くのマイルを受け取れる。
さらに「チャレンジ」というユーザー参加型のメニューを展開すると、独自のイベントを開催することができる。企業が車の通勤者に電車通勤を促したり、自治体が自転車や徒歩の移動を推奨したり、移動でマイルを貯める仕組みを利用して、脱炭素化や、健康を促進させたりすることが可能になる。
コロナで広まり、コロナ後の可能性も広がるマイルズ
実際、ロックダウンが続いたアメリカでは、徒歩自転車の移動手段を20倍に引き上げたところ、一気に利用者が増加。ソーシャルディスタンスを高めることに一役買った。
日本でリリースされたマイルズも順調にサービスを広げている。10月現在で提携企業は83社。クーポンは108種。マイルを溜めるとJAL国内旅行パック2000円割引クーポンや、JR東日本の駅構内にあるワーキングスペースを30分無料利用できるクーポンなどが発行される。
コロナ収束後、移動する人が増えれば、マイルズの利用者も増える可能性は高い。コロナの感染が再び広がっても、自治体が県内移動のマイルの還元率を高めれば、感染の拡大を抑えることができる。
徒歩や自転車の移動でマイルが貯まれば、ウォーキングやサイクリングをする人が増えて、健康促進にもつながる。交通の便の悪い観光地がマイルズを使えば、一気に観光客を引き込むことが可能になり、地域の活性化にも直結する。