「超PayPay祭」にヨドバシ、dポイント…巣ごもりで広がったポイント経済圏
三番手のヤフーショッピングとPayPayモールもポイント還元に力を入れる。10月18日から「超PayPay祭」と称し、大々的なセールを展開。条件を満たせば最大38.5%の「PayPayボーナス」が付与される。実店舗のキャッシュレス決済でPayPayを利用しているユーザーにとって、魅力的なポイント還元策といえるだろう。
他にもヨドバシ・ドット・コムの「ゴールドポイント」、NTTドコモのdショッピングの「dポイント」など、ネットショップのポイント活用は、コロナ禍の巣ごもり消費で、さらに拡大している。
ポイントは誰が負担しているのか
一方でポイント合戦の激化は、ネットショップの大きなストレスになっている。
ポイントの原資となる費用は、基本的に店舗側が負担している。プラットフォーマーであるモール側がポイント分を負担するケースもあるが、ポイント還元率の高い商品がより売れている現状を考えれば、そこに出店している店舗側も別途、自主的にポイントを上乗せして商品を売っていかなくてはいけない。
ポイントの還元率が低いネットショップは早々に競争から離脱し、ポイントの還元率が高いネットショップは飛ぶように商品が売れるという傾向は、いかんともしがたい趨勢だ。モール側も売れ行きの良い商品を検索結果で上位に表示させるアルゴリズムを組んでいることもあり、ポイント還元率のアップと同時にモールで広告を展開し、一気に売上を伸ばして、検索結果で露出を高めてさらなる売上を取りに行こうとするネットショップも少なくない。
しかし、他社との競争におけるポイントの費用をネットショップが負担している以上、還元率を上げれば商品は売れるが、その分、利益は削られる。モール側に支払う出店料、カード決済料、広告費に加え、ポイント分の10~20%の売上まで徴収されれば、いくら固定費の低いネットショップとはいえ、利益はほとんど残らない。
「ポイントで新規客を獲得して、その後にリピートしてもらえればいい」
ポイント還元を新規顧客の獲得コストとして考えている人も少なくない。しかし、ポイント目当てで飛びついた客は、他の還元率の高い店を見つければ、当然、離れていく。「良い商品だったから、次は還元率が低くても買おう」というほど、今の消費者はお人好しではない。