韓国の大法院(最高裁)がいわゆる徴用工をめぐって日本企業に賠償金の支払いを命じる判決を下し、韓国政府が日韓慰安婦合意に基づいて設立された「和解・癒やし財団」を解散、加えてレーダー照射事件など、日韓関係が悪化した19年5月から6月、日本の民間非営利団体「言論NPO」と韓国民間シンクタンク「東アジア研究院」が共同で実施した調査がある。ノー・ジャパン拡大前とはいえ、参考になる数字なので伝えておくと、日本人に対する印象が「良い」と答えた韓国人は31.7%だった。17年は26.8%、18年は28.3%で、13年に同調査がスタートして以来、初めて30%を超えた。
一方、日本人の韓国人に対する好感度は18年の22.9%から20%に下落しており、韓国に好感を抱く日本人より、日本に好感を抱く韓国人の方が多い実態が明らかになった。また、日韓の経済協力が必要と答えた韓国人は83.1%で、日本人の43.4%をはるかに上回り、日韓関係の重要性を問う質問に韓国人の70.8%が、改善のために努力する必要があると答え、日本人の40.2%より多かった。
ちょうど同じタイミングで、読売新聞と韓国日報が共同で行ったアンケートによると、日韓関係が悪いと答えた韓国人は14.9%で日本人の13%と大きな違いはなかった。ただ、関係改善を期待する韓国人は25.2%で、日本人の14%を大きく上回っていた。
投資と就職から見る困ったときの日本頼み
韓国には困ったときの神頼みならぬ、日本頼みがある。
韓国は97年から98年のアジア通貨危機や08年のリーマン・ショックを経た後、インフレが続く中、3度目の経済危機を警戒する資産家らが海外投資に舵を切った。10年頃から韓国の投資企業による日本企業の買収が目立ち始めた。一部の日本人は韓国企業が技術の搾取を目論んでいると危惧したが、純粋な投資である。十分な技術や資産を持ちながら借金に喘いでいる企業を安く買い取って、その分野に明るい人材を経営者として送り込む。経営を立て直したら高値で売却し、その売却益で、次の企業を買収する。日本企業は韓国企業と比べてリスクが少なく、潜在能力が大きいことから標的として選ばれたのだ。