北京冬季オリンピックは伏兵の登場で一部日本人の心を揺るがしました。ユルいパンダ型マスコットキャラクターの「ビンドゥンドゥン」です。
ツイッターではビンドゥンドゥンの話題をよく見かけ、フィギュアスケートのエキシビジョンではビンドゥンドゥンが転び、羽生結弦選手が救出するという場面に、日本だけでなく開催国の中国でもほのぼのしたものです。
「ニセモノを売るな」と圧力
中国のニュースを見るに五輪開催前から中国のハイテクっぷりをアピールしていたものですが、まさかビンドゥンドゥンが外国人のハートを掴むなんて、当の中国も思っていなかったはずです。終わってみればビンドゥンドゥンが印象的なオリンピックとなりました。中国のSNSでも話題でしたよ、ビンドゥンドゥン。
中国や諸外国でビンドゥンドゥンが人気となれば、海賊版ビンドゥンドゥンを密かに売ろうとする輩がいるわけですが、当局は強烈に「ニセモノを売るな」と圧力をかけています。
ああ、そういえば2008年のワールドワイドに市民参加型になった聖火リレーが話題になった北京オリンピックでは、特に開会式の動画の無断転載がそれまでと比べてものすごくキツく取り締まられたのを思い出します。それまで無断転載をしても怒られなかったのでその仕草でやったところ、本気で潰しにかかられたのですからたまりません。「中国の開会式を皆に知ってもらいたかった」と美談にしようとしても後の祭りでした。
今回の北京冬季五輪を機に、中国の偽商品がある程度なくなるかも
中国ではそれまで海賊版動画が流れても泣き寝入りするしかない状態でしたが、2008年の北京五輪を機に動画の版権意識が高まり、海賊版動画配信者に対して損害賠償を請求して回収できるようになりました。当時人気の動画サイト「YOUKU(優酷)」などが中国の動画配信で天下を取るべく、金をじゃぶじゃぶ使って国内外の配信権を獲得する路線に一気に変わったのです。
となると、今回の北京冬季五輪でのビンドゥンドゥンのニセモノ販売禁止を機に、中国の偽商品がある程度なくなるかもしれません。
経済力では中国は日本を上回り、中国ブランドの製品がスマートフォンなどで世界を席巻していますが、それでも日本の商品のニセモノと言えるものがまだまだ現役で売られています。そのうちのひとつが使い捨てカイロであり、冬になるとオレンジ色の背景でカンガルーのパッケージのニセモノが中国全土で大量に出回ります。