2022年は、新たな新幹線が開業する年である。

 開通するのは九州は佐賀県の武雄温泉と長崎県のターミナル・長崎とを結ぶ西九州新幹線。9月23日に開業するという。さらに、2023年度末(つまりざっと2年後)には北陸新幹線がいまの金沢から敦賀まで延伸する。

 それから先も北海道新幹線の札幌延伸が控えていて、つまりはとにかく日本という国は新幹線を作り続けているのである。

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 そんな新幹線だが、我が国で最初の新幹線はご存知の通り東海道新幹線。東京オリンピックに合わせて1964年に開業した。次いでひかりは西へ、山陽新幹線が開業。1975年に博多駅まで達している。

 では、我が国3番目の新幹線は何か。もったいぶる必要もないので答えを明かすが、東北新幹線だ。

“新幹線イヤー2022”…「盛岡」には何がある?

 東北新幹線は1982年6月23日、大宮~盛岡間で開業した。つまり今年は開業から40年の節目というわけだ。JR東日本がなにやら「新幹線イヤー2022」なるキャンペーンをやっているが、それはつまり東北新幹線をはじめ、いくつもの新幹線が“○○周年”を迎えるからということのようだ。

 さて、ここで今回やってきた、盛岡駅だ。盛岡駅は、40年前に新幹線が到達した当時の終着駅であった。盛岡から先の延伸は2002年になってからだから、東北新幹線40年の歴史のうち半分までが“盛岡終着”だったということになる。盛岡駅は、半世紀以上にわたる新幹線の歴史の中において、大きな位置を占める駅なのである。

東北新幹線“かつての終着駅”「盛岡」には何がある?
今回の路線図。「盛岡」は40年前に新幹線が到達した当時の終着駅だ

 というわけで盛岡駅にやってきたのだが、ひとことでいえば盛岡駅とは何の変哲もない地方都市のターミナルである。新幹線が高架で通っていて、地上に在来線の線路とホームがあって、その間にコンコースや改札口があるという駅の構造は、それこそあちこちの地方都市のターミナルで見かけるそれだ。

 
 
 
 

 駅にはフェザンという駅商業施設が入っていて、盛岡じゃじゃ麺や盛岡冷麺といった定番ご当地グルメが食べられる飲食店街も用意されている。もちろん土産物屋もあるし、見かけると特に用がなくても入ってしまうドトールコーヒーも改札脇のコンコースにあった。

 

 つまり、盛岡駅は新幹線もやってくる県都のターミナルとして地元の人たちの買い物から観光客のためのスキマ時間のグルメまで、必要充分なモノがきっちりと揃っている駅なのだ。いわば、新幹線のある地方都市のターミナルとしては理想型といっていい。