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東北新幹線“かつての終着駅”「盛岡」には何がある?

2022/02/28

genre : ニュース, , 社会

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 ……と、これで終わってしまってはさすがにあまりにつまらないので、もう少し盛岡駅を歩いてみたい。

 盛岡駅は南北に長い駅で(つまり線路が南から北に向かって延びている)、改札口は南北にひとつずつ。北側から階段を登って駅ビルの2階にやってきたら北側の改札口を通れば良いし(ドトールは北側にある)、南側から来た人は南側の改札口が近い。

 もっとわかりやすくいえば、南北に細長い駅ビルの2階部分のちょうど真ん中に改札内のコンコースがあるよ、ということだ。南北それぞれの改札外コンコースは、東側の駅前広場を見下ろせる通路でつながっているから、南側に来ちゃってドトールがないよ、という場合でも安心である。

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 この際新幹線は脇に置いて、在来線のホームに向かおう。在来線は地上西側に広がっていて、乗り入れている路線は東北本線・山田線・田沢湖線。山田線は三陸海岸の宮古までを結んでいる路線で、田沢湖線は新幹線列車が乗り入れる場合は秋田新幹線として知られるが在来線としてはローカル線。つまり、東北の大動脈たる東北本線を中心にして、ローカル線2本がくっついているのが盛岡駅だ。

あれ、何か忘れていませんか…?

 あれ、でも、何か忘れていませんか。そう、東北本線は盛岡駅で途切れる。もともとは青森駅までを結んでいたが、2002年に東北新幹線が延伸すると盛岡以北が第三セクターIGRいわて銀河鉄道に分離された(青森県内は青い森鉄道)。

 でもですね、東北本線と地続きなのに、乗り場はいったいどこにあるんでしょう。青森駅に行ったときには、同じ改札口の先にJRの列車も青い森鉄道の列車もやってきたはずですが。

 天井から吊り下げられたコンコースの案内板に導かれ歩いて行くと、IGRいわて銀河鉄道の改札口は盛岡ターミナルの北の端っこにあった。2階のコンコースから階段を降りた駅舎の端、小さな改札口が銀河鉄道の入口である。

 
 

 銀河鉄道の改札には、あわせて「JR花輪線」とも案内されている。花輪線の列車はしばらく銀河鉄道の線路を走り、好摩駅から西に分かれて安比高原を経て秋田県に入って八幡平に向かうローカル線だ。JRの列車といっても山田線や田沢湖線と違い、少しの間だけ銀河鉄道の線路を走るから乗り場もすみっこに追いやられてしまっているのだろう。

 それにしても、新幹線以前の時代はもちろん、東北新幹線が盛岡止まりだった時代には、新幹線と接続する特急列車も走っていたような大動脈も、第三セクターになったら乗り場は駅のすみっこへ。

 いまや特急も走っていないし、岩手県北部の山の中へ入っていく区間だから仕方がないのもわかるが、天下のJRさんとしがない三セクさんの格差を見せつけられているような。銀河鉄道さん、頑張ってください……。