「ロシアでも日本同様に、若い世代を中心にTwitterやInstagramなどのSNSの利用が広がり、自ら国外の情報を取りに行ける人が増えているんです。今回も、戦争が始まり、すぐにTwitterのトレンドで1位となったのは『нетвойне(ニェットバイニェ)』。つまり『戦争反対』でした。
『ウクライナに謝りたい』という書き込みも目立ちます。世界的に著名な各界のロシア人らも、表立ってプーチンの批判はしていませんが、『戦争が早く終わるように』といった間接的に戦争を批判する投稿をしています」(同前)
しかしながら、いまなお国内では政府を批判する声をあげにくいというのも事実だ。開戦2日足らずで、ロシア当局は全国50都市以上で、反戦デモなどに加わっていた1700人を超える身柄を拘束しているとも報じられている。
戦禍のなかで“変わる可能性”が芽生えている
前出の国際部記者はこう解説する。
「テレビや新聞しか見ない高齢の世代を中心に、いまだプーチン大統領の支持層は厚い。実際、レバダセンターの昨年末の調査で、ウクライナ情勢の悪化の責任がアメリカやNATOにあると答えたのは50%と最多。ウクライナに責任があると答えた人は16%、ロシアに責任があると答えた人は僅か4%でした。
しかし、今回ばかりは若い世代を中心に反戦の機運が広がっているのを確かに感じます。レバダセンターの調査などの客観的なデータはありませんが、国民の半数以上は戦争反対なのではないでしょうか。ウクライナへの侵攻はあってはならない惨事です。ですが、戦禍のなかで、内側からロシアが変わるきっかけになる可能性が芽生えてきている気がします」
そして、最後にこうも語った。
「ウクライナとロシアは人種も一緒で、親族が両国にまたがっている家族は数え切れません。一刻も早く事態が落ち着くことを祈っています」
25日、ウクライナはロシアに協議を求め、ロシアもそれに応じる構えをみせていた。しかしBBCによると、26日にウクライナ大統領府が「ロシアが示した停戦条件が、降伏を強いるものだ」とロシアとの協議を拒否。一時停止していたロシア軍主力部隊の侵攻が再開した。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領が「世界は長期戦に備えなければならない」と発言している。この戦争の先行きは不透明さを増すばかりだ。