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「社会保険加入を拒否された」現役従業員が「くら寿司」をパワハラで提訴へ

「社会保険加入を拒否された」現役従業員が「くら寿司」をパワハラで提訴へ

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 大手寿司チェーン「くら寿司」の現役従業員がパワハラを受けたとして、同社と上司の二者を相手取り、訴訟を起こす意向であることが「週刊文春」の取材でわかった。

「くら寿司」は回転寿司業界の最大手企業。国内外に567の店舗を構え、社員・アルバイト・パートを合わせた従業員数は1万8524名にのぼる(2021年10月末時点)。

従業員数は1万8524名にのぼる

 訴訟を起こす意向を示しているのは、埼玉事務所にパートとして勤務する事務スタッフ。弁護士同席のもとで取材に応じ、「夏までに数百万円の損害賠償を求める訴状を出す予定です」と明かした。

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 この事務スタッフは勤続11年目。入社当初からずっと「勤務時間を延ばして社会保険に加入させてほしい」と会社に伝えてきたという。くら寿司の場合、パートの社会保険加入は「週20時間以上の勤務」等が条件となる。また、埼玉事務所の採用サイトには〈希望すれば(社会保険に)加入できる〉と明記されている。実際、事務所に勤務するパートの大半が社会保険に加入している。しかし、この事務スタッフの要望だけは放置され続けているという。

 なぜ自分だけ加入できないのか。上司に説明を求めると、こう一蹴されたと語る。

「社会保険には“枠”があるんだ。今それが一杯だから、あなたを加入させることはできない」

提訴する意向を示した従業員が勤務する埼玉事務所

 事務スタッフが怒りを滲ませて明かす。

「納得がいかなかったので、18年に労務を管理する部署に問い合わせたところ、『社会保険の枠などありません』と説明されました。上司は私を加入させないため、ありもしない理由を述べていたんです」

 問い合わせたことを知った上司は、「ふざけんなよ、クソ!」と吐き捨てたという。

「以前、同僚の暴言等に悩んで労基署に相談したことがあったので、“要注意人物”としてマークされていたのかもしれません」(同前)