「このクソッタレが!」

 被害者ならば、思わずそう叫ばずにはいられないほどの“汚らしい”手口の事件が起こったのは5月8日、愛知県名古屋市でのことだった――。(全2回の1回目)

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「個室の扉を開けると、まず強烈な臭いがして……」

 立憲民主党の愛知県議らの会食がおこなわれた高級焼肉店の、議員が利用した個室に“人糞”が放置されるという前代未聞の“汚物事件”が起きたことが文春オンラインの取材でわかった。同店店主は既に愛知県警に被害届を提出し、現在警察が器物破損の容疑で慎重な捜査をおこなっているという。

©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

 焼肉店のオーナーと店を取り仕切る店長が取材に応じ、憤懣やる方ない様子でこう語った。

「議員センセイのなかには常連さんもいましたし、私自身も党とは旧民主党時代からのお付き合いがあります。私自身はどこかの決まった党の支持者ではありませんが、店には旧民主党系の議員さんがよく来てくれたりもしていました。しかし、今回のことはいくらなんでも……。コロナ禍で厳しい飲食店に対して、あまりにも酷い仕打ちだと思いました」(オ-ナー)

 現場となった高級焼肉店は、名古屋市の中心地にある。コロナ以前は、接待や記念日、デートなどでも利用され、多くの客で賑わっていた。最近になって、徐々に客足が戻りつつあるというが、それでも「以前ほどではない」という。

 店長によると、部屋を利用した議員たちが店に着いたのは5月8日の18時ごろ。参加者は県会議員や愛知県の某市の市議やその秘書など、合計8名だった。

「予約をいれたのは常連で県議会議員のA氏で、僕の高校の同級生の某市市議会議員のB氏やC氏もいらっしゃいました。飲み放題がついた8000円のコースを頼み、ビール、ウイスキー、ワイン、焼酎とみなさん随分飲まれている様子でした」(店長)

事件が起きた焼き肉店の個室 ©文藝春秋

 政治談議に花が咲き、宴が終わったのは20時30分のことだった。A氏の発声による一本締めの後、ふらつきながら一行は店を出た。その10分後、アルバイトの女性が片付けのために個室にはいったところ、すぐに部屋の異変に気づいたという。あまりにも部屋が臭かったからだ。店長が続ける。

「お客様の見送りを終えた後、バイトの子が僕のところにすっ飛んでやってきて、『とにかく来てください!』と言うんです。ただならぬ表情でした。個室の扉を開けると、まず強烈な臭いがして……。見ると部屋の奥の、上座のテーブル付近の床に、“それ”が放置されていたのです。漏らしたものが座布団に染みたとかそういうレベルではありません。こぶし大ぐらいの丸々とした“それ”が、周りにティッシュがあるわけでもなく、ドーンと放置されていたのです。形状や大きさなどから見て、明らかに動物ではなく、人のものだと直感しました」