逮捕前の任意捜査の段階では、凜容疑者は「事件当日には大阪には行っていない」と証言していた。しかし事件現場付近では、当日の午後3時頃に青いハットを被ってサングラスとマスクで顔を覆い、キャラクターものの長袖Tシャツを着て歩く凛容疑者らしき人物が目撃されている。
報道されたその服装を見て、凛容疑者が所属していた社会人アメフトチームのチームメイトで、直近まで交流があったA氏は違和感を覚えたという。
「凜容疑者はいつも上下クロムハーツのいかつい服装でキメていて、電車でもマスクを着けていたところを一度も見たことがありません。しかし防犯カメラの映像では、ラフな格好にマスク姿で、一目みただけではピンときませんでした。凜容疑者は両腕の上腕に目立つ英語のタトゥーがありますが、それも長袖で隠しています。アメフトでは頭がキレる戦略家でしたが、まさかその能力を人を殺すために使うとは……」
「あんなところでアメフトを辞める予定はなかった」
A氏が凜容疑者と出会ったのは2021年の5月。東京の社会人アメフトチームに入ってきた凜容疑者は、最初から目立っていたという。アメフトの名門・関西学院大学の付属高校で司令塔として活躍し、日本代表にも選出された。海外遠征も経験して「将来は全日本のエース間違いなし」と期待されていたが、脳の血管が細く怪我のリスクが高かったことから大学時代に選手生命が絶たれてしまう。
「凜容疑者は大学でまともにプレーできなかったことを悔やんでおり、『あんなところでアメフトを辞める予定はなかった。もっと上に行きたかった』と話していたことがあります。社会人チームでも実力は断トツで、アメフトの楕円形のボールを回転を乱さずに50ヤード投げられる技術の持ち主。社会人リーグでも指折りのプレーヤーだったのは間違いありません。社会人チームで久しぶりに試合に出られて嬉しそうにしていました」(A氏)
大学時代はプレーできない代わりに、高校生を相手に戦術指導などをしており、社会人チームでも凜容疑者がほとんど1人で練習や戦略を決めていたという。A氏が続ける。