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都道府県別の「いじめ認知率」3位は大分県、2位は新潟県…では、1位は?《文科省の最新調査》

2022/11/18

genre : ニュース, 社会

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 いじめの認知や解消について、一つの手段として挙げられているのは、仙台市のような「いじめ対策専任教諭」だ。いじめ防止対策推進法成立の要因になった、いじめ自殺があった大津市でも配置された。岐阜市でも「いじめ対策監」が置かれている。

 山形県(126.4)は、都道府県別で見た時には最多の認知率となっている。

「2020年度も認知率は多かったのですが、県のいじめ防止の基本方針が改定された17年度から年2回以上、児童生徒だけでなく、保護者へのアンケートも行なっています。できるだけいじめを早期発見することに努めています。アンケートは県で様式を作成しています。アンケートの結果、いじめの大小に関わらず、児童生徒と面談をして、解決に努めています。把握している範囲では、県で様式を決め、かつ、保護者にアンケートを取っているのは本県のみです」(山形県)

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全国の約350校の学校で「スクールサイン」を採用

 都道府県別で2番目に認知率が多いのは新潟県(97.4)だ。

「本県はいじめの認知件数が多く、2020年度も都道府県別で4番目でした。これはいじめを積極的に認知している方針が県全体に浸透してきたと言えます。県立学校には年2回、『いじめ対策総点検』を実施しています。各学校のいじめの認知、組織で対応するための体制をチェックしています。また、公立小中学校に対しては年1回、生徒指導の自己点検を行なっています。また、21年度から教職員向けのいじめのチェック項目を答えてもらうことにしており、その正答率を県教委として把握しています。その結果について指導体制を分析し、市町村教委に伝えています」(新潟県)

 

「いじめ見逃しゼロ」をスローガンに掲げる大分県(88.2)は、都道府県別では3番目だ。

「いじめの認知件数は、発生件数ではない。そのため、小さないじめも見逃さず、安易に『生徒間トラブル』としないように心がけています。『いじめアンケート』は学期に1回以上、行なっています。県教委はそのアンケート案を例示していますが、学校によっては内容を実情に合わせて変えています。24時間SOSダイヤルはどの自治体もしていると思いますが、それに加えて、県立学校では、『スクールサイン』という匿名の通報システムを活用しています」(大分県)

「スクールサイン」とは、民間企業が運営するネットいじめ対策「スクールガーディアン」のサービスの一つ。いつでもどこからでも匿名でいじめの目撃情報を通報できるシステム。メッセージアプリやSNSなどから投稿できる。全国の公立・私立の学校を含めて300校以上で採用されている。都道府県レベルでは山形県、熊本県でも導入している。また、別の企業でも匿名通報・報告アプリを整備しており、自治体がそのサービスを活用しているところもある。

調査では「いじめ解消率」についても公表

 一方で、認知件数がもっとも少ないのは愛媛県(12.8)だ。