同番組で小池は、話がやたらと脱線する太田を適当なところで引き戻す役割を担うとともに、太田の相方・田中裕二が解答者としてしばしば可愛げアピールをするのに対しても、ちょっと意地悪なツッコミを入れてみせた。放送当時の爆笑問題の2人との鼎談では、田中が彼女の出演者との距離感の取り方は天性のものと絶賛し、太田からも「MCは田中とやるよりやりやすい」と言わしめた(『テレビブロス』2007年12月22日号)。
現在も続くテレビ東京系のビジネス情報番組『カンブリア宮殿』は、『検索ちゃん』と同時期、2006年にスタートした。しかし、各業界の第一線で活躍する経済人を毎回ゲストに招き、作家の村上龍とともに話を聞くというこの番組への起用は、当時の小池にはかなりのプレッシャーであったらしい。番組で求められる役割と、知的でも聞き上手でもない自分とのギャップを痛感させられ、番組が始まってから2年ほどは楽しむような余裕はなかった。それが《わかったふりをせず、わからないところは素直に聞こうと、ありのままの自分で収録に臨むようになってからですね、本当に楽しめるようになったのは》という(『FRaU』2009年12月号)。
結婚式の挨拶で、村上龍にかけられた言葉
同番組でコンビを組む村上龍は、小池にとって、会うたび「調子に乗るな!」と言ってくる父親と並び、原点に引き戻してくれる存在だという。結婚式の挨拶で村上が寄せた「好きなことを仕事にして生計を立てられている人間はそれだけで幸せ。感謝したほうがいい」という言葉を、彼女はずっと心の中で大切にしており、《少し欲張りになったときに思い出すようにして》いるのだとか(『THE21』2018年5月号)。
その後、バラエティへの出演が減り、俳優業に軸足を置くようになったのも、あれもこれもと欲張らないようにしてのことなのか。先述したとおり、デビュー時に主演したドラマで芝居の面白さに目覚め、もっと勉強したいと思った小池だが、それからしばらくグラビアの仕事がメインとなり、芝居から遠ざかってしまう。
それでも事務所にはずっと「舞台をやりたい」と言い続けてきた。デビューから4年ほど経ったころ、その要望に応えてラサール石井が『ライアー・ガール』という芝居を書いてくれ、初舞台にして初主演を務める。ほかの仕事もあって稽古場になかなか行けず、共演者たちに遅れをとり、公演直前にはプレッシャーから「逃げたい」とまで思ったが、いざ幕が開くと、観客から拍手や笑い声など反応が直にあることに喜びを覚えた。