クリスマスを1週間後に控えた12月18日、休日の東京・表参道には人があふれかえっていた。大通りに沿ってずらりと並ぶ高級ブランドの店舗には、恋人や家族へのクリスマスプレゼントを求めてか、多くの人がすずなりになり、時に入場制限のために長蛇の列が作られていた。
そこに白昼堂々、いわゆる“恋人つなぎ”で親密そうに手をからめ合って人込みを歩く男女の姿があった。顔の大部分をマスクで覆っているが、隠れていない目の表情からだけでも幸せそうな様子がうかがえる。シャネルにルイ・ヴィトン…高級店をハシゴする2人だったが、店の外に出るたび、男は手に持ったストールを女性の肩に掛け、相手を気遣っていた。男はプロゴルファーの宮本勝昌氏(50)。なるほど、ゴルフは紳士のスポーツだ。
“日大三羽ガラス”と呼ばれ…学生時代から有名だった宮本プロ
「宮本プロは日本大学出身。同期にいた片山晋呉さん(49)、横尾要さん(50)らとともに“日大三羽ガラス”と呼ばれ、学生時代からゴルフ界では有名でした。また、1年生だった91年の『日本アマチュアゴルフ選手権』に出場した際には、当時4年生として在学していた先輩の丸山茂樹さん(53)を下して、見事栄冠をつかんでいます。1995年からプロに転向し、現在に至るまで一線で活動しています」(ゴルフ関係者)
2006年から2011年にかけて151試合連続出場という大記録を達成。2016年には史上9人目となる生涯獲得賞金10億円を突破している。
「1998年の『つるやオープン』でプロ初優勝を果たし、同年には『ゴルフ日本シリーズJTカップ』で早くも2勝目を獲得。その後もタイトル獲得を重ね、生涯獲得賞金も現在は11億円ほどにまで上がっています。2008年に選手会長に選ばれ、この重職も通算3シーズン務めました。50歳を迎えた今年は、9月にあった『コマツオープン』でシニアツアーにもデビューを果たしましたし、人気も実力も折り紙つきで、これからも末永い活躍が期待されています」(同前)
奥さんと息子たちが駆け付けた試合で優勝
ツアー優勝12回。デビュー27年を経た50歳のプロゴルファーを、人は大御所と呼ぶ。現時点で、宮本が最後の優勝を果たしたのは2019年。5月5日の最終日に「中日クラウンズ」を見事制した。宮本の優勝の瞬間を目撃していたスポーツ紙記者が語る。
「奥さんと息子たちが駆け付けた試合だっただけに、宮本プロも嬉しそうでした。ファンや関係者にもみくちゃにされながらも、しっかり家族全員で記念撮影をしていましたよ。その微笑ましい様子は、翌日のスポーツ紙でも報じられています。試合を見ていた息子さん2人はすでにゴルフを始めているそうで、『お父さんは家と試合では格好よかった。ずっと活躍してほしいです』とコメントしていました」
宮本の優勝を“令和初V”と報じた翌日のスポーツ紙には、優勝カップを中心に夫人と息子たちとおさまった仲睦まじい宮本家の家族写真が載っている。良き父、良き夫として満面の笑みを浮かべる宮本の表情は、家族円満をなにより物語る。
――しかし。