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「iPhone 15 Pro Max」に“20万円”の価値はあるか? 試してわかった「よいところ」4つと「いまいちなところ」4つ

「iPhone 15 Pro Max」に“20万円”の価値はあるか? 試してわかった「よいところ」4つと「いまいちなところ」4つ

2023/10/27
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いまいちなところ:指紋認証は相変わらず非搭載

 マスクで顔を隠すことが当たり前となったこの2~3年は、指紋認証の使い勝手の良さが改めて評価されてきました。Androidスマホの多くが、顔認証と指紋認証の両方に対応する中、今回のiPhone 15シリーズは依然として指紋認証には非対応です。

 Face IDの改良によりマスク着用時もロックを解除できるようになったとはいえ、うまく動作しないこともしばしばで、スマホを顔の前に持ってくるより前にロックを解除できる指紋認証と比べると、どうしても不利に感じられます。

iPad Air(左)などのApple製品には、電源ボタンと一体化した指紋認証センサーが搭載されていますが、今回のiPhone 15シリーズに採用されることはありませんでした

いまいちなところ:お値段もなかなかのハイエンド

 本製品の購入にあたってネックとなるのは、やはり価格でしょう。128GBモデルがなくなり、最小容量が256GBになったという事情はあるにせよ、もっとも安価なモデルでも20万円を切るのがやっと(189,800円)というのは、少々躊躇します。

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 特に、同じ価格帯のライバルであり、ほぼ同時期に発売されたGoogleのスマートフォン「Pixel 8」シリーズが、積極的な下取りキャンペーンで購入のハードルを下げようとしているのに比べて、やや不利な印象は否めません。

実売価格は189,800円から。従来のiPhone 14 Pro Maxは同容量で179,800円からだったので、円安が大きな要因とはいえ、なかなか勇気がいるお値段です

いまいちなところ:Pro Maxにしかない機能が多い

 本製品は機能面ではたしかに最高峰とはいえ、6.7型という巨大なサイズは手に合わないという人は多いはず。こうした場合、弟分にあたる6.1型のiPhone 15 Proを選べば万事解決……と言いたいところですが、こちらは光学5倍ズームなど、iPhone 15 Pro Maxにはある機能の一部が省略されています。ハイエンドの機能を使うには6.7型一択というのは、大きすぎるスマホは苦手というユーザにはネックです。

Appleのサイト上で両製品を比較すると、光学ズームの倍率が異なっていることが分かります。このほかバッテリー持続時間にもかなりの差があります

いまいちなところ:スマホとしての新鮮味は薄い?

 今回見てきたように、iPhone 15 Pro MaxをはじめとしたiPhone 15シリーズは、iPhone初の機能をいくつも搭載しています。とはいえUSB Type-CはAndroidでは数年前から一般的ですし、光学5倍ズームも、他社でそれを上回る製品は存在します。

 つまり「iPhoneであること」が必須であるユーザにとっては魅力的な新製品である一方、あまりこだわりのないユーザにとっては新鮮味はそれほどではなく、ほかの選択肢があるのもまた事実なわけです。こうしたユーザ側のこだわりの有無によっても、評価が大きく変わってくる製品と言えそうです。

「iPhone 15 Pro Max」に“20万円”の価値はあるか? 試してわかった「よいところ」4つと「いまいちなところ」4つ

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