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「測定方法自体が誤っていたことが判明」
問題が起こったのは昨年の夏頃。ホンダからトレーリングアームブッシュの発注を受けたトーヨータイヤの設計部は、部品の特性を計測する実験部に数値の計測を依頼した。すると、
「管理基準から20~30%と大きく外れていたことが分かったのです。本来ならば、この数値では納入することはできません。実験部が社内向けに出した測定試験結果にも〈本部品は管理基準を満足していない〉と明記されています」(トーヨータイヤ設計部関係者)
さらに、新たな事実も発覚する。
「工場で日常的に行っている品質管理目的の測定方法自体が誤っていたことが判明したのです。少なくとも2022年頃から誤った測定方法が実施されていた可能性があり、そこで得られたデータを基に部品の製造調整が行われていました」(トーヨータイヤ工場関係者)
トーヨータイヤでは、過去の不祥事を経て、現在は「社外に数値を報告する際は、測定担当部署=実験部が計測したデータを使用すること」という社内ルールが存在する。ところが——。
「ホンダの窓口になっている設計部は、実験部が取得したデータではなく、誤った測定方法を実施しているおそれがある工場で取得したデータをもとに“問題なし”として報告し、そのまま部品を納入してしまった。“不正報告”と言えますし、極めて重大な問題です」(前出・設計部関係者)