1月18日、日本共産党は、4年ぶりの党大会で、志位和夫委員長に代わり、新しい委員長に田村智子氏を選出した。「女性初の党首の誕生」として注目を浴びているが、「異論」を排除する共産党の「閉鎖的な体質」に変わりはないようだ。
「除名処分・再審査請求」を「却下」された松竹伸幸氏がコメント
「本当に残念でなりません」
「私が最初に体験した共産党では、自由な議論が許されていました。ある学者からは『松竹さんのお陰で共産党が自由に見えていい』と言ってもらいましたが、そんな『異論を許す共産党』を復活させたいと思っていたのに……」
こう語るのは、「党首選挙制」の導入を訴える『シン・日本共産党宣言』(文春新書)を刊行したことで、共産党から「除名処分」を受けた松竹伸幸氏だ。
松竹氏は、党大会での除名処分の撤回を求め、「再審査請求」を行なっていたが、共産党は党大会で、松竹氏の主張は「処分の理由を覆すものではない」として、「請求却下」を決定した。
「『除名』処分を受けても、『そんな党だから愛想をつかす』という気にはなれませんでした。党に期待し、『とにかく党に戻りたい』という一心で、再審査を求めていたのですが……私の人生は半世紀、共産党とともにありましたが、これで党から排除され、党には二度と戻れません」
「それにしても今回の決定はあまりに『非常識』で、党の『劣化』を示しています」
松竹氏が「却下報告」のウソを指摘
松竹氏の再審査請求に対して、党大会で、副委員長の山下芳生氏が次のような「報告」を行なっている。
「大会幹部団は、(略)松竹氏の『再審査請求書』を党大会として受理し、大会幹部団として再審査を行うこととした。除名処分をされた者が大会に除名処分の再審査を求めた例は過去にもあるが、そのさいにも大会幹部団の責任で再審査を行い、その結果を大会に報告するという対応を行っており、今回もこれまでの対応を踏襲することとした」
この「報告」について、松竹氏は「冒頭から完全なウソに基づいている」と指摘する。