文春オンライン

石川県知事と地元紙の関係性に苦言を呈したら…北國新聞による「アンサー記事」に思ったこと

2024/02/27
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(A)《ところで最近、ごくまれに「石川県庁と北國新聞の間で何かあったんか?」と尋ねてくる人がいる。馳浩知事の震災対応を検証した本紙連載「日本海側からのSOS」を読み、そう思うようだ。中には「馳知事の背後にある状況が変化したから、知事に苦言を呈し始めたのでは?」と想像を膨らませる人もいる。はっきり言えば、そうした想像は的外れだ。「日本海側からのSOS」を書いているのは私である。震災を受け、地域住民の命を守るには何をすべきかを、読者の皆さんと一緒に考えるために書いている。地元紙の記者として使命感を持って臨んでいる。》

 そして注目は直後の段落だ。

(B)《長野県の信濃毎日新聞で、時事問題に詳しいタレントのプチ鹿島さんがこんなことを書いていた。「地震列島の日本は今日どこで何があるかわからない。地域性を自覚し、警鐘を鳴らすのは地元紙の大切な仕事だ」。無責任な想像とは異なり、鹿島さんの、この意見には共感を覚えた。》

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 いかがだろうか。(A)は明らかに文春オンラインの当コラムを指している。でも私の名前は出していない。しかし(B)で別コラムを引用し「共感を覚えた」と言いながら私の名前を出している。

問題の本質には触れず

 これは新聞を使ってのけん制なのだろうか。巧妙だなぁと感じたのは「馳知事の背後にある状況が変化したから、知事に苦言」は否定しているのだが(森喜朗氏の名前を出さずに)、私が問うていた「馳知事のメディアに対する態度に声を上げない北國新聞」についてはスルー。本質に触れていない。

 私はこのことを先週木曜、ラッパーのダースレイダーとやっているYouTube番組「ヒルカラナンデス」で報告した。すると、すぐさま翌日の金曜、ふたたび紙面上で「反応」してきたのだ(今度は別コラムで)。