『つばさの党幹部3人逮捕 警視庁 衆院補選 演説妨害容疑』(読売新聞5月18日)というニュース。
記事によると、党幹部3人は補選告示日の4月16日、江東区内のJR亀戸駅ロータリーで、無所属の乙武洋匡氏と小池百合子都知事らが街頭演説中、拡声機を使って大声を張り上げたり、車のクラクションを鳴らしたりして、聴衆が候補者の演説を聴くのを困難にし、選挙の自由を妨害した疑い。
私はその現場にいた。選挙の現場を見ることが好きだからだ。
現場で感じたこと
街頭演説はいろいろな候補者の考えを聞けるだけでなく、チャンスがあれば候補者に話しかけて質問もできる。同じ質問をすることで候補者の考えの違いや、答え方で人柄も知れたりする。とても自由な雰囲気がいい。さらにこのときの小池都知事は「文藝春秋」(5月号)で元側近から学歴詐称疑惑を報じられたばかりだった。小池氏が応援演説で聴衆の前でどう振る舞い、聴衆はどう反応するのか? ぜひ確認したかったのだ。
しかし、つばさの党がそのすぐ横や目の前で大音量で罵倒していた。自分達も立候補しているので「演説」と主張しているのだろうが、こうした行為のために多くの陣営は街頭演説の日程を公表しなくなった。いろんな候補を見にいくことは難しくなり、つまりは民主主義の危機だと深刻に感じた。
一方で選挙戦最終日の街頭演説に行くと警察官がたくさんいた。とても静かだったが威圧感があって私語さえはばかれる雰囲気。これも民主主義の現場とは思えなかったのだ。
気になった「動き」
これら両極端な風景を見た上で気になったのは、まず政治家や候補者側からの「法改正で規制強化を!」という動きについてだ。次に、X(旧ツイッター)では、2019年の参院選期間中に演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした男女が北海道警に排除された事案を引き合いに出す投稿が多数みられたこと。