今や視聴率王者としてテレビ界をけん引する日本テレビ。てれびのスキマさんの新刊『全部やれ。 日本テレビ えげつない勝ち方』は、1990年代、当時の絶対王者フジテレビを日テレが視聴率で逆転できたのはなぜか? を描いたノンフィクションです。実はてれびのスキマさんがこの本を書こうと思い立ったのは、ヒャダインさんとの文春オンラインでの対談がきっかけでした。取材を重ねて書き上げた本を手に再び、ヒャダインさん、てれびのスキマさんに対談してもらいました。
◆◆◆
日テレのバラエティ番組が苦手だった
ヒャダイン 『全部やれ。』読ませていただきました。面白かったです! めっちゃ調べて、たくさんの当事者の人に話を聞いて書いてますよね。
戸部田 そうですね。今までの本『1989年のテレビっ子』などでは、当事者に直接話を聞く取材というのは一切せず、表に出ている資料だけで書いてきました。それが「テレビ」というものを描く時の適切な距離だと思っていたので。でも、今回の場合、主役は日本テレビの社員たち。裏方の方々だったので、当事者の生々しい話を聞いたほうが面白いものが書けると思って色々な方にお話を伺いました。
ヒャダイン 皆さん、快く?
戸部田 そうですね。予定時間を大幅に超えてお話しくださった方もいて、お陰様で濃い取材になりました。
ヒャダイン 僕もさっき、日テレに出てきたばかりで。汐留帰りなんです(笑)。
戸部田 ああ、『PON!』ですね!
僕はこの本にも書いたんですが、正直言って、日テレのバラエティ番組が“苦手”なんですよ。だから『週刊文春』の編集部から「90年代にフジテレビを逆転した日テレのことを描くことによって、現在の日テレの強さの源流を探る連載を書いてみないか」と言われたときに、ちょっと躊躇したんです。そんなときに「文春オンライン」でたまたまヒャダインさんにインタビューして、日テレのことを伺ったんです。