節約の姿勢が日本人に好まれた
戸部田 確かに。
ヒャダイン で、アナウンサーだから、不思議と清廉性があって、『24時間テレビ』で泣くという(笑)。僕の中で「徳光和夫」さんはとてもシンボリックに日テレ。
あの清濁併呑な感じ。なんか、すっきり善人じゃない(笑)。ギャンブルとかしたりしている一方で、涙もろくてという。ただ単にいい人で涙もろいとかじゃないんですよね(笑)。僕の中では、「徳光和夫」が日テレの擬人化ですね。
戸部田 でも、やっぱりそこでタレントじゃなくて社員だというのが、日テレっぽい。
ヒャダイン ですね!
戸部田 フジテレビのことを中心に描いた『1989年のテレビっ子』の主役がタレントたちで、日テレを描いた今回の『全部やれ。』が社員たちを主役に僕が選んだのはある意味必然だったのかもしれない。
ヒャダイン さっき(※第1回)言ったように日テレは節約上手だから、タレントにお金を使うんだったら、アナウンサーを起用しようというのがあると思いますよ。
でも、日テレって食堂はタダばっかりなんですよ! 数字いいからスタッフに還元してる。でも、すごくおいしいわけではない(笑)。たぶんそこもきっちり予算を管理してます(笑)。
でもそういうお金を大事にする姿勢って、日本人、好きじゃないですか。
カラオケ屋さんが目指したゴージャス感
戸部田 そうですね。実際、氏家さんも1円でも安くしろとあらゆるところに目を光らせていたそうです。
ヒャダイン その倹約家ぶりがフジとは違う。フジって、とんねるずのイメージもそうですし、ドカンと使ってなんぼだみたいなイメージがある。そういう豪快さは日テレにはない。徳光さんも福澤さんも枡君もそうですけど、豪快なイメージではないじゃないですか。
フジは『IPPONグランプリ』とか、『(人志松本の)すべらない話』とかゴージャスな演出が好きですよね。で『エンタの神様』って、劇場っぽいつくりで、福澤さんと白石美帆さんが着飾っていますけど、一流ホテルのゴージャスさじゃなくて、カラオケ屋さんが目指したゴージャス感がいいんですよね。なんかリアルな感じで。
戸部田 絶妙なダサさみたいなのがありますよね。
ヒャダイン それって計算している部分ももちろんあるとは思うんですけど、計算しないでにじみ出るものというのは、日頃の倹約家っぷりからにじみ出るものだと思うんです。