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「読む・書く・聞く・話す」をバランスよく

 インターネットの発達とともに、世界で支配的に使われる英語を用いて情報を取得し、瞬時にやり取りする必要性はますます高まっています。そのような世界の変化もふまえ、学習指導要領には、「読む・書く・聞く・話す」の4技能を関連付け総合的に指導する旨が書かれていますが、従来の入試問題が、1技能や、2技能のアンバランスなものであったため、影響力を持つ進学校の英語教育が学習指導要領と大きく乖離していました。これを、指導要領や世界標準のCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に合わせ、指導と評価を一体化しようというのが今回の改革の狙いです。残念ながら、試験があるかぎり、試験対策自体がなくなることはありません。そこで、入試に4技能試験を導入し、試験対策も4技能の習得を求める指導要領に近づけようということなのです。

東進ハイスクール講師・安河内哲也氏 ©石川啓次/文藝春秋

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 これを受けて、高校も、予備校や塾も、今後大きな変革を余儀なくされていきます。このような社会的にも大きな影響のある改革が行なわれるとき、様々に危惧される点、不安の声が上がることは、ある意味で当然のことでしょう。現行の入試に多くの問題点があるのと同様に、民間試験を導入する新しい入試にももちろん多くの問題点があります。むしろ今後の2年8ヶ月は、新しい制度の問題点を積極的に洗い出し、建設的なあら捜しをし、施行までに対処策を練らなければならない段階になりました。以下、挙げられている「不安」につき、考え得る対処策を考察します。