セブン-イレブンは1月27日から順次、おにぎりや弁当の一部を値上げした。“コンビニめし”の中でも最も安いはずの「塩むすび」も、116円から138円になったが、
「このままでは、塩だけのおにぎりがいずれ180円になってもおかしくない」
そう嘆くのは、セブン加盟店の元店長Aさんだ。
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鈴木氏の退任前後で「何これ」と思うほど商品が変わった
2年前まで長く店長を務めてきたAさん。“コンビニの父”鈴木敏文氏(92)が2016年にセブン&アイHDの会長を退任した時が転機だったと振り返る。
「鈴木さんが退任する前と後とで、現場レベルでも『何これ』と思うほど商品が変わった。“上げ底”が始まったんです」(同前)
セブンの弁当が上げ底で、実際よりも中身を多く見せることで実質的な値上げをしているのではという指摘は、ここ数年SNSを中心に多くみられる。
「文春から上げ底疑惑を問われ、永松文彦社長(68)は『そんなアコギなことはできない』と答えていましたが、実際は様々なアコギな問題があります。新製品として納品されたものがパッケージや宣伝用写真と異なり、上げ底のようになっていることは度々あった。他にもおでんのちくわぶが年々小さくなったり、弁当の米も薄〜く敷かれていたり……」(同前)
宣伝用写真と実物の比較写真
Aさんは、弁当が写る2枚の写真を取り出した。
「いずれも、21年1月に販売していた『たっぷりマヨのピリ辛チキン&鶏そぼろ』弁当です(現在は販売終了)。1枚は、納品前に確認できる宣伝用写真。もう1枚は、実際に店頭に並んでいたものです。現物は、宣伝用写真では緑の“バラン”で隠れていた部分に鶏と卵のそぼろが敷かれておらず、美味しそうにも見えませんでした」(同前)
確かに彩りが悪く、「これじゃ肉を節約しすぎじゃないか」とツッコミたくなる。
「こういう商品を並べておくこと自体がお客様の不信を招くと担当の社員に相談しましたが、『じゃあそれ返品して下さい』で終わってしまう。で、また同じような商品が定期的に“リニューアル”と称して出てくる。もう新商品は発注しないようにしていたんですが、すると本部から目をつけられるそうです」(同前)