汗がたくさん出て、幻覚も見るようになり…薬物使用で心身にあらわれた“変化”
――月1の薬物使用だと、心身の変調は生じないものですか。
橋爪 並行して、合法ドラッグのほうもやっていたので、身体には悪い影響があったと思います。汗がめちゃめちゃ出ることがありましたし。そういうときは、部屋に引きこもっていたり、すぐに風呂に入って汗を流したりしてました。
――身体の匂いが変わるとか聞きますが。
橋爪 僕は、そこまでいかなかったですね。
――幻覚なども見ることもなく。
橋爪 何回かありました。ただ、一緒にやってる相手がそうなると、自分もそっちに引っ張られる傾向もあったので。幻覚を見ながらも、「相手に引っ張られて、こうなってるんだな」と冷静に考えたりもして。
性格も変わらなかったんですね。人に当たり散らすことは、まったくなかったです。普通でした。いや、ぜんぜん普通じゃないんですけど。
――薬物をやるときは、連絡が来て出向くわけですか。
橋爪 そういう場合もあるし、自分で「ちょっと、今日どう?」「いま、どういう状況?」とか聞いてから行くこともありました。連絡が来て「やめとくわ」と断ることもありましたし。
「ああ、人生終わったな」警察に踏み込まれたときの状況
――そうした日々を過ごして、2017年6月2日に逮捕された。
橋爪 よく分けてもらっていた友達とは違う別の友達が、「今日、持ってるよ」と。それで、その人のところまで行ったんです。で、そこへ警察が踏み込んできたんです。
――踏み込んできたのは、打った後ですか。
橋爪 後です。
――「逮捕」と言われた瞬間、どんな思いが。
橋爪 高知さんは、逮捕によって解放された的なことをお話しされているじゃないですか。僕の場合、その感覚はなかったですね。もう、流れに身を任せるしかなかったです。
――冷静ではあった。
橋爪 冷静ぶってました。内心では「ああ、人生終わったな」って。正直、逮捕って現実を受け止めきれてなかったです。ちょっと薬もキマってたのもあって。
――手錠は。
橋爪 掛けられました。で、捕まったのは埼玉だったんですけど、なぜかパトカーで築地署まで連行されたんです。
撮影=山元茂樹/文藝春秋

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