週刊文春が“公用PC”の中身を報じなかった「3つの理由」
週刊文春は告発者X氏の“公用PC”の中身を報じなかった「3つの理由」として、
(1)申入書の存在
(2)公用PCの中身がX氏による告発の内容とは無関係だから
(3)公用PCの中身について真実かどうか見極めるのが困難
と昨年12月に説明している。(1)の申入書だが、X氏は生前、代理人弁護士を通じて百条委の委員長宛にプライバシー権の保護を申し入れていたという。それなのに……。
兵庫県関係者の衝撃的な証言
X氏が亡くなったあと兵庫県関係者は衝撃的な証言をしている。
「この申入書を出した時点で、X氏は自分のプライバシー情報が流出していることを知って精神的に不安定になっていた。結果的にX氏は動揺の中で自死を選んでしまった」
X氏は「死をもって抗議する」という文言を遺していた。
しかし片山前副知事はそのあとの百条委員会(10月)でX氏のパソコンの中身についてわざわざ口にしたのだ。プライベートや真偽不明の内容に委員長の奥谷県議が制止した。このやりとりを「隠し録り」した録音データが立花氏の手元に渡り、立花氏は拡散させた。斎藤氏の再選に影響を与えたと考えられている。
そして今回、「情報」を提供したのが維新の県議だと明らかになったのである。朝日新聞は「信じがたい実態が明らかになった」(同前)と書いたが、報道をよく読んでいれば昨年7月に週刊文春が伝えていたことを思い出す人も多いはず。次の記事だ。
『兵庫県知事・斎藤元彦(46)パワハラ告発 元局長を自死に追い込んだ「7人の脅迫者」』(2024/07/17)
そもそもX氏が告発したのは斎藤知事だけではない。片山副知事、県職員の総務部長、産業労働部長、若者・Z世代応援等調整担当理事の4人への言及があった。
怪文書として握りつぶされかけたX氏の告発文書が新聞報道などによって息を吹き返したのは昨年4月以降。すると、総務部長が大きなカバンを持ち歩くようになった。中には文書が入っており、X氏に関する極めてプライベートな内容だった。県職員らに中身を見せて回っていたという。