千葉・茂原市の山の中に突然現れる荒廃した巨大団地「真名団地」。1970年代に建設されたこの団地は、住民の姿を見かけるのが難しいほど“ゴーストタウン化”していて、治安悪化が問題となっている。「イット!」取材班は現場を緊急取材したーー。

窓や扉も朽ち果て…廃墟と化した巨大団地

東京ドーム1.2個分という広大な敷地に建てられた千葉・茂原市の真名(まんな)団地。

 

「早く廃墟を撤去してもらいたい。犯罪のもとになる」と話すのは近隣住民だ。

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巨大団地のほとんどの建物が廃墟と化していて、建物をのみ込むように草が生い茂り、さらに、窓や扉も朽ち果てていた。

 

建物の中にはドアが壊れ、室内の損傷が激しく崩れ落ちそうな部屋もあった。

 

敷地内には公園やスーパーマーケットがあるが、住民の姿はなく、まるでゴーストタウンのように静まり返っていた。

 

団地の住民(70代)に話を聞くと、「2階は雨漏りして入れない。(住民は)ほとんどいない」という。

 

団地には現在も10人ほどが住んでいて、多くが1人暮らしの高齢者だというが、団地の老朽化を受けて、市は住民に2026年3月頃までの転居を求めている。

団地に20年ほど暮らしてきた80代の男性にも退去が迫っていた。

団地の住民(80代):
団地は明日あたりに引っ越す。(団地が建って)50年ぐらいたつか…、だから終わりだよ。解放されて天国だよ。

2010年代に工場が次々と閉鎖され活気失う

真名団地が建てられたのは1970年代で、茂原市は大手企業が相次いで進出し、工業都市としてにぎわっていた。

 

しかし、2010年代になると工場が次々と閉鎖され、活気を失った団地は次第に廃墟と化していった。

 

そんな団地には、“昭和の名残”公衆電話があった。
意外にもきれいだが、使用されているような形跡はなかった。

鍵が開いた空き部屋もある団地。
近隣住民は「もう荒れ放題で、めちゃくちゃ怖い」と、防犯面の不安を口にする。

 

廃墟と化した団地では、多くのYouTuberらが詰め掛け、治安の悪化が大きな問題となっている。

 

近隣住民からは「ゴーストタウンですよ、本当。巨大廃墟は犯罪のもとになるから、なくしてもらいたい」「20人くらいで撮影会かなんかで来た。警察が時々巡回しているから。心配…」といった不安の声が聞かれた。

荒廃した巨大団地「真名団地」について茂原市は、団地の跡地利用については検討中で、解体するか残すかはいまだ未定だとした。
(「イット!」 2月27日放送)