「女児の遺体が埋められていた金属製の衣装ケースは、カーキ色の塗装が剥がれて見た目はボロボロ。ただ、蓋を開けると驚くほどきれいにコンクリートが詰められていた。表面がザラついた感じもなく、実に滑らか。あの仕上がりは職人技という他ない」(捜査関係者)
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「しつけで殴ったら翌朝冷たくなっていた」
大阪府八尾市の集合住宅でコンクリ詰めにされた女児の遺体が見つかった。
社会部記者が解説する。
「ミイラ化した遺体は推定6〜7歳の女児で、身長は110センチほど。司法解剖の結果、腎臓や脾臓の周辺が損傷していることや、死亡時期が2007年頃だということが判明した」
大阪府警は、この遺体を運搬し、遺棄したとして無職・飯森憲幸容疑者(41)を3月1日に逮捕。その5日後、交際相手の無職・柴田朱里容疑者(36)も死体遺棄の疑いで逮捕した。
飯森は警察の調べに対し、こう供述している。
「十数年前、姉から預かった娘が泣き止まず、しつけで殴ったら翌朝冷たくなっていた。父に相談したら『コンクリ詰めにしよう』と言われたので、服をぜんぶ脱がして2人でやった」
事件発覚までおよそ18年。一体この親子の間で何が起きていたのか。
言うことを聞かないとすぐに暴力を振るっていた
逮捕された飯森は両親と姉、妹の5人家族だった。だが女児が亡くなったと見られる07年頃、一家はバラバラに暮らしていた。
「飯森と母は大阪市平野区で同居し、父と姉とその娘は八尾市内で生活していたようです」(前出・記者)
当時、飯森の父(82)が暮らしていた住宅は、今回遺体が見つかった集合住宅とは別の物件で、玄関の横に銀色の自転車が置いてある2階建ての長屋だった。
近隣住民が回想する。
「ここに越してきたばかりの頃は、孫娘をすごく可愛がっていて『この子は賢い子や』なんて自慢していた。でも、言うことを聞かないとすぐに叩いたり、投げ飛ばしたりするんよ。女の子はその度に大泣きして、地団駄を踏んでいたわ」
その後、飯森の姉が子供を残して父の元から蒸発。
「父親ひとりでは面倒をみきれないという理由から、飯森と母親が女児を引き取ることになった。その結果、今回の悲劇が起きてしまったのです」(前出・記者)