城彰二が「欠かせない」と語った2人の選手とは?
――北中米W杯まであと1年。今後、強化すべき点はどういう部分になりますか?
城 W杯で優勝するためには、攻守すべてでレベルアップしないと難しいですね。選手はチームでコンスタントに試合に出続けることが最低条件になると思います。本番までパフォーマンスの強度を落とさず、個人戦術やスキルを上げていく。それがチームの成長に繋がります。
あと、本番を見据えて怖いのは、主力の怪我でしょう。メンバーを固定してきたおかげで連係面での精度が上がり、それが日本の強みのひとつになっています。でも、そのベースとなる選手が欠けたらどうなるのか。森保さんは誰が出ても遜色なく戦えるというけど、サウジアラビア戦を見ると主力とサブ組の間には、まだ差があります。
――実際、サウジ戦は守田、三笘、上田(綺世)を欠いての戦いになり、相手が引いた中での試合展開に苦しみました。
城 遠藤と守田は欠かせないし、あとセンターFWですね。前田(大然)は悪くないけど、戦術的に前でボールを収められる選手がいないと攻撃の幅が広がらない。上田がこのまま成長していってくれるとベストですが、伸び悩んだ場合にはゼロトップでもいいかなと思います。
南野(拓実)や堂安(律)を前に置き、久保や鎌田と連動して、相手の合間で受けて崩していく。高さはないですが、これまで連係面を積み重ねてきたチームだからこそ可能だと思います。
――バーレーン戦、サウジ戦では無失点でしたが、3バックは少し安定感に欠けるところがありました。
城 冨安(健洋)が怪我で不在ですし、ベテランの谷口(彰悟)もメンバー外になっている中での3バックでしたが、ビルドアップや個々の対応ではまだまだ課題が多いですね。本当に3バックのままでいいのかということも含めて、今後は親善試合で強豪チームと戦って、もう一度、危うい点を洗い直していく必要があると思います。
アジアとの戦いでは見えなかった課題を見つけ、それを本番までにしっかりと修正していく。優勝を狙うのであれば、チームに穴があってはいけないと思うので。
取材・文=佐藤俊
