「多くの選手が海外移籍を果たし…」日本がアジアで最強になった要因

――今回の北中米W杯最終予選を最速で突破できた要因は何になりますか。

 スタートダッシュに成功したことでしょう。前回はオマーンに敗れて、中国に勝ち、サウジに負けて1勝2敗と苦しいスタートでした。

 今回は、中国に大勝(7-0)して、バーレーンとサウジアラビアのアウェイ2連戦も連勝で乗り切った。初戦から圧倒的な力を誇示して勝ったことで、いい流れを作ることが出来たのが一番大きいと思います。

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――城さんが出場したフランスW杯最終予選もスタートは良かったですが、中盤で勝てない試合が続き、苦しみましたね。

 あの時は、ウズベキスタンに6-3で勝っていいスタートが切れたけど、個人の能力もチームの力も今のチームよりかなり落ちますし、韓国やサウジアラビア、イランが強くて、日本はアジアでまだトップクラスではなかった。

 今は日本がアジアでは最強で、そうなったのは個人の力がレベルアップしたことがすごく大きいと思います。

――個のレベルが上がったのは、どういう要因があるのでしょうか。

 多くの選手が海外移籍を果たし、試合に出て、経験を積んだからでしょう。今は昔のように海外に移籍しても試合に出られないのではなく、みんな、ある程度コンスタントに試合に出ている。

 海外で鍛えられて、競争を勝ち抜き、ステップアップし、それを代表に還元するという、すごくいい流れが生まれています。

 ただ、まだ世界のビッグクラブでプレーしている選手は少ない。そこが今後の課題で、5大リーグのビッグクラブでプレーできる選手が複数出てくれば、W杯優勝が狙えるようになるんじゃないかなと思いますね。

サウジアラビア戦に臨んだ森保ジャパンのメンバー ©時事通信社

城彰二が感じた長友佑都の必要性

――森保監督は、新たな選手の招集には慎重ですが、名波(浩)さん、長谷部(誠)さんをコーチにするなど、スタッフ側はしっかりと“補強”していますね。

 齊藤(俊秀)と前田(遼一)がコーチとして入り、さらに名波さんと長谷部を入れることで選手との意思疎通をはかりましたね。

 あとは長友(佑都)を招集することで、選手としてアドバイスをしたり、燻る選手の話し相手になってくれた。森保さんは、そういうところの目の配り方がさすがというか、うまいなと思いますね。