女性アナが卑猥なダンスを強いられる

 当時、多数の女性アナが動員されるのが年1回の温泉旅館での接待である。

「大物司会者のお気に入りの女性アナが動員され、宴会の席ではコンパニオン扱いでした。彼女たちは酔った大物司会者と着衣のまま合体するという卑猥なダンスを強いられるのです。会の主催者であるA氏は止めもせず、『次はお前が行け』とばかりに場を盛り上げていました」(同前)

 この大物司会者に取材を申し込むと、所属事務所を通じて次のように回答した。

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「私は他人にお酒を飲むことを強いることはいたしません。(温泉旅行は)恒例の新年宴会の事だと思われます。とにかく場を盛り上げようと即興でいろいろやっていく中でそのような事をやったと思います」

 港氏の寵愛を受けたA氏は、こうした“上納文化”の沼に浸り、着実に出世を遂げてきた。その先達である港氏らが退陣したフジは、今後生まれ変わるのか。

「任命権者の日枝氏を降ろさない限り、問題は先送りになるだけでしょう。トカゲの尻尾切りになってはいけない」(別のフジ幹部)

「いつまで相談役を?」日枝氏に聞くと……

 齢87にして、なぜ日枝氏は権力にしがみつくのか。冒頭(#1)の日枝氏への直撃シーンに戻ろう。一問一答は次のように続く。

5つ星ホテルに身を隠していた日枝氏

――日枝さんが辞めないと会社が変わらないという声が上がっている。

「いやいや、なんで? なんで僕なの?」

――フジテレビのトップとして今の体制を作り上げた責任があるのでは?

「関係ない」

――いつまで相談役を続けるつもりか?

「そんなことは今言えませんよ。何言ってんですか」

 そう吐き捨て、送迎車の後部座席に身体を沈めた。

「ミュージックフェア」の単独スポンサーを務める塩野義製薬の()(しろ)()功社長が、一連のフジの対応に疑問を呈する。

「(「ミュージックフェア」の)音楽で癒される方がおられる中で、音楽を送るってことは出来れば続けたいよね。でも、人権ポリシーに合わない方とお付き合いするのはまずいかなと」

 フジテレビに残された「負の遺産」は、日枝氏の存在に他ならない。

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