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特集観る将棋、読む将棋

この「将棋マンガ」がアツい! 将棋界の新しい「リアル」とは?

将棋マンガが同時に11本も連載されている「戦国時代」に

2018/11/23

あの『哲也』の筆者が……

 近年、時代物のマンガが見直されてきていますが、もちろん将棋にも歴史あり。そんな時代物好きにお勧めなのが、歴史マンガを得意とするリイド社「コミック乱ツインズ」で連載中の『宗桂~飛翔の譜~』(著:星野泰視)。

マンガ好きとして知られる渡辺明棋王が監修を務める『宗桂~飛翔の譜~』。現在「コミック乱ツインズ」にて連載中

 主人公は江戸時代に実在した天才将棋指し、9代目大橋宗桂(そうけい)。この時代の強豪たちを打ちのめしていく話というよりは、この時代を生きた人達との出会い、関わりなどを描いた人情ものの要素が大きいかも。しかし、そこに将棋を絡ませいろいろなトラブルを解決していくという展開が実に爽快。

 それもそのはず、著者はアニメ化までされた麻雀マンガ『哲也-雀聖と呼ばれた男』を描いた星野泰視先生。勝負師の人間ドラマを描かせれば面白くないわけがない。今年の8月に連載が開始されたばかりなので、気になる方はさっそく書店へGOだ!

将棋世界」は毎月1日発売

 連載中と言っても、最近の作品ばかりではありません。1990年連載開始で、なんと今年で29年目の将棋マンガがあります。将棋好きでこのマンガを知らない人は「もぐり」とまで言われる、「将棋世界」で連載中の4コママンガの『と金の将ちゃん』(著:神保あつし)です。

 新しいタイプの将棋マンガが出てくることは確かに嬉しいものの、なんというか、読んでいて安心できる、またこのマンガが読める、という安堵感。そういうマンガも必要でしょう。将棋好きの日本料理屋の店主と将棋関係者との実にほのぼのとした時事ネタ交じりのやり取りが心を和ませます。

 時代の急激な変化に疲れたという現代人の皆さん、そういう時は「将棋世界」(日本将棋連盟)の巻末を開きましょう、そこには止まっているようでしっかり躍動している物語があるのです。

将棋マンガ自体も多様化した

 その他、アニメ化もされた『3月のライオン』(著:羽海野チカ 発行:白泉社)とそのスピンオフ『3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代』(著:西川秀明 発行:白泉社)、渡辺明棋王の妻が描くエッセイマンガ『将棋の渡辺くん』(著:伊奈めぐみ 発行:講談社)、大人気ラノベ原作の『りゅうおうのおしごと!』(原作:白鳥士郎 作画:こげたおこげ 発行:スクウェア・エニックス)、『fellows』(著:おおきぼん太 配信:ソノラマプラス)と計11の将棋マンガが連載中です。

 

 すこし紹介しただけでも、いろんなタイプの将棋マンガがあるものです。比較的勝負描写に偏っていた将棋マンガでしたが、近年、ひふみんこと加藤一二三九段、竹俣紅女流初段などがメディアで活躍。将棋が老若男女に愛され、人工知能との対決、女流棋士の活躍、プロ編入制度の変更など、多くの話題が出てきたのも将棋マンガ自体の多様化をもたらした要因かもしれません。

 将棋を指すだけではなく、観戦して楽しむ『観る将』という言葉ができて久しいですが、今後はマンガを通して将棋を楽しむ『読む将』もいかがでしょうか。

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