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日本語習得に積極的。「オクサン」のためにひげを生やす

 2021年からはヤクルトの一員となり、その豪快なひげは日本でもすっかり有名になった。夏は「チョット」暑いが、ハンナ夫人と共にオフシーズンを過ごすアラスカは「冬はとても寒いから、このひげがあると温かい」という。現在は2週間から3週間おきにひげの手入れをしていて、担当は「オクサン」。「妻は(ひげを生やした)この見た目が気に入っているんだよ。そこが一番大事なんだ。彼女のためにも、もうひげは剃れない」と愛妻家の一面をのぞかせる。

 こうした会話の端々にカタカナが混じることからもわかるように、サイスニードは日本語を使うことにも非常に積極的な選手である。ミーティング、あるいはマウンド上やベンチでのチームメイトとの会話でも、英語(イングリッシュ)に日本語を混ぜる。

「ニホンゴイッシュ」でコミュニケーションを取る

「ニホンゴイッシュだよ(笑)。ウチ、ソト、マッスグ、サンシンとか簡単な言葉が多いけど、難しい言葉を使うこともある。『この打者は“セッキテキ”』とかね。アグレッシブっていう意味だろ? ああセッキョクテキだ! そんな言葉も覚えたよ。とにかくもっと日本語で話せるようにしたいし、もっと日本語を理解できるようになりたいんだ」

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 今年で来日3年目。大学に入学して初日に知り合ったというハンナ夫人ともども、日本の生活にもすっかりなじんでいる。1年目は6勝、2年目の2022年はチームトップタイの9勝を挙げるなど、先発ローテーションの一角として過去2年のセ・リーグ連覇にも貢献した。

「モウイッカイ、カンプウシタイネ。オネガイシマス!」

 今シーズンは監督選抜で日本では初めてオールスターにも出場し、ここまで小川泰弘と並んでチーム最多の20試合に先発して6勝7敗、防御率3.48の成績を残している。6月23日の中日戦(バンテリンドーム)で、自身にとってはアストロズのマイナー時代の2018年以来となる完封勝利をマークすると、8月20日の同カード(神宮)でも完封を記録した。

「モウイッカイ、オネガイシマス(笑)。できればもう1回、カンプウしたいね。ノーノー(ノーヒットノーラン)? それは子供の頃にやっただけだけど……オネガイシマス!」

 一見コワモテながら実にファン思いであり、日本も「ダイダイダイスキ」な好漢サイスニード。昨夜の巨人戦(神宮)では6回まで2失点(自責点1)に抑え、自ら勝ち越しのホームランを放ちながらも、降板後に試合をひっくり返されて今季7勝目とはならなかった。こうなったら次こそは、今のところセ・パ両リーグでも九里亜蓮(広島)と宮城大弥(オリックス)しか成し遂げていない今季3度目の完封…いや、ヤクルトでは2020年の小川以来となるノーヒットノーランを期待したい。

 Go Go, Cy Sneed!!

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