「リバイバル版・安倍官邸」は機能するか
田﨑 読売新聞の世論調査によれば、高市早苗内閣は71%と高支持率でスタートを切りました。憲政史上初の女性総理に期待が集まるのは当然ですが、中北先生は高支持率の要因をどう分析していますか。
中北 岩盤保守層の支持に加えて、高市さんのメッセージが国民に響いているのでしょう。発信力に課題があった岸田文雄さんや石破茂さんと比べ、高市さんは主張が明確で、自分の言葉で政策を語れる。「高市さんなら日本を前に進めてくれる」との期待感が、ネット上で参政党や国民民主党のブームを作ってきた若年層だけでなく、一般的な中間層にまで広がっています。
田﨑 たしかに、「働いて、働いて、働いて……」と言われ、「やるじゃねえか」と思った人もいるでしょうね。政策に詳しく、会見での受け答えも見事。総理個人の資質に期待が集まっているのは間違いありません。ただ、私は高支持率の一番の要因は、公明党の連立離脱だとみています。これまでお互い嫌々やっていた選挙協力から解放されて、自公両党の支援者が喜んでいる。
中北 国民の間で「スカッとした」との雰囲気が広がる一方で、自民党内では、「選挙が苦しくなる」と不安の声もありますね。
田﨑 自民党は公明・創価学会票を失い、公明党は権力を失いました。お互いに難しい状況が待ち受けているのは間違いありません。
そもそも、高支持率でスタートしても、長期政権になるかは別問題です。読売の調査によれば、内閣発足直後で歴代トップの支持率が小泉純一郎さんの87%で、鳩山由紀夫さんの75%、菅義偉さんの74%、細川護熙さんの72%と続きます。しかし、長期政権は小泉さんだけで、他は1年ほどで終わりました。
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