プロ野球選手から保育士

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かつての首位打者が保育園で摑んだもの

聞き手・生島淳

 2022年から保育士として働き始めて、いまは0歳児と1歳児を担当しています。今年の夏はあまりに暑くて、園庭でのプール遊びも早い時間に切り上げなければならないほどでしたが、秋に入って、ようやく外にお散歩に行く時間が増えてきました。ウチの園は歩くのが特徴で、1歳を超えたら2キロ弱の距離も歩けるようになるんですよ。

 髙澤秀昭。古くからのプロ野球ファンなら、その名前にピンとくるだろう。1980年代にロッテオリオンズの主軸を担い、1988年にはパ・リーグの首位打者にも輝いた名選手である。

 67歳となった髙澤さんはいま、ユニフォームを脱いで、横浜市にある「大豆戸どろんこ保育園」で、保育士の仕事に就いている。

 ロッテを辞めたのが2019年ですから、野球から離れてもう6年になります。いまも求められれば、野球の話もします。特に、1988年、ロッテが近鉄バファローズの優勝を阻止したことで有名な「10.19」の試合には、私も出場していたので、よく取材が来ますね。

 現役引退は、34歳の時で、わりと早かったんです。1990年に広島に移籍し、翌年にまたロッテに戻り、1992年に「来季はコーチで」という打診を受けました。首位打者を獲得した4年後で、まだ30代前半でした。現役へのこだわりもありましたが、身の振り方を相談した球界の先輩に「誰もがコーチになれるわけじゃない」と言われ、コーチの仕事を引き受けました。

 2009年まで、ロッテの一軍、二軍のコーチをやらせてもらいました。福浦和也、西岡剛、今江敏晃ら、ロッテで二度の日本一を達成した選手たちと出会えたのは幸運でした。

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source : 文藝春秋 2025年12月号

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