徳岡孝夫 失明した名文家を支えた友情

土井 荘平 同級生・著述家

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 ジャーナリストで、名文家として知られた徳岡孝夫(1930~2025)。毎日新聞記者としてベトナム戦争を取材したほか、三島由紀夫から自決直前に檄文を託されるなど文学者とも交流した。晩年、視力を失った徳岡の執筆活動を支えた同級生、土井荘平氏(96)が綴った。

名文家として知られる徳岡孝夫 Ⓒ文藝春秋

 ほぼ毎日かけてきた徳岡の電話、

「スマンなあ、原稿、行くわ」

「スマンなあ、はナシや」と私。

「まあ、慣用句やと思うてくれ」

「そんな慣用句、いらんわ」

「だけど、キミの負担が重いから」

「そんな気遣い、いらんわ。90を超えても、することがあって、スマンなあと言いたいのはこっちだよ」

「そう言うてくれると助かるわ」

 徳岡孝夫と私は、大阪の旧制中学の同級生だったが、仕事をリタイアした私が神奈川へ移住してきてから交情が深まった。

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source : 文藝春秋 2026年11月号

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