2021年1月13日(水)、さらなる激動が予想される現在の状況下における「経済展望」と「税金対策」「資産運用」について2人のプロフェッショナルが説くオンラインセミナーが行われた。アフターコロナを勝ち抜くテクニックとは?
まず、特別講演の講師として登壇したのは、獨協大学教授・経済アナリストの森永卓郎氏。さまざまなメディアで活躍する森永氏は、「国際経済情勢と日本経済の行方」というテーマでトークを繰り広げた。
2021年の経済動向について語る、獨協大学教授・経済アナリスト 森永卓郎氏
この年初、2021年末の株価について多くのエコノミストが2万4000円から2万7000円という金額を予想する中、ひとり森永氏のみが1万3000円という数字を挙げ、周囲に戸惑いを与えた。今年は激動の一年になるというのだ。年明けより、コロナ禍にもかかわらず株価が上がる奇妙な現象が続いている。この現状を、氏はバブルであると断じた。
世界史におけるバブルの濫觴として挙げられたのが、オランダにおける17世紀のチューリップバブル。チューリップの球根が投機の対象となり、球根一つが現在の貨幣価値で500万円にものぼる異常事態が出現したのだとか。が、そのブームはある日突然しぼんだ。
明治の日本でも同様のバブルは起こったという。それがうさぎバブル。失業した士族がこぞってうさぎのブリーダーに転職、うさぎブームが出来するが、ある日「うさぎ税」が創設され、その後、五街道の沿道にはうさぎ汁の店が軒を並べることとなった。
森永氏が、バブル崩壊が近い根拠として挙げるのが、ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー博士の考案した「シラーPER」という指標。株価収益率を示すこの数値が25倍を超えると株価は実態に比して割高だと考えられるが、20年末の段階では、米国市場において25倍超の状態が79カ月も続いていた。これはITバブルが弾けた時と同じ長さである。つまり、現在は、パンパンに膨れた風船が破裂する直前なのだという。
今後、米国政府によるコロナ対策として、国民一人当たり2000ドルの現金給付を行う可能性が高まっている。これが実現すれば、財政赤字が一気に膨張し、国債の長期金利が上がり、米国そして世界の経済は危険水域に突入しかねないと推測する。
国際情勢としては、今年はアメリカが世界の覇権を失う年になると語った。トランプの負の遺産が大きくのしかかるのだという。昨年の時点で、中国のGDPはすでに米国の4分の3まで伸張している。英国、そして米国がヘゲモニーを握った際に起きたことが、中国に起こるだろうというのだ。だが森永氏は、中国が投資先としてどこまで信用に足り得るか、その判断は慎重に下すべきだと釘を刺すことも忘れなかった。
次の基調講演のテーマは「『富裕層を熟知した税理士が伝授~ 今知っておくべき税金対策・資産運用テクニック」。税理士法人ネイチャー国際資産税および株式会社ネイチャーFASを擁するネイチャーグループ代表の芦田敏之氏がとっておきの知見を披露した。
リモートでの講演となった、税理士法人ネイチャー国際資産税 代表の芦田 敏之氏
ネイチャーグループは、税務コンサルティングを行う「税理士法人 ネイチャー国際資産税」と、資産運用ンサルティングを行う「株式会社ネイチャーFAS」の2社で構成される。税理士法人ならではの中立な立場での資産運用コンサルティングが魅力の、【税金対策・資産運用】に特化した個人専門のコンサルファームである。
代表の芦田敏之氏は、資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。
氏は相続対策の重要性を説く。生涯において財産を増やすことに成功したとしても、相続税・所得税対策をまったく行わない場合は、2回の承継、つまり2代目、3代目へと財産が移る間に、その額が当初の20%にまで目減りしてしまう可能性がある。今後、個人に対するさらなる課税の強化が予測されるというから、心配は増えるばかりだ。
そこでネイチャーグループが提案するのが、「ICT方式」。インカムゲイン、キャピタルゲイン、タックスゲインの3要素を掛け合わせた同グループ独自の資産運用である。その戦略として、セミナー内ではいくつか例が挙げられた。
ネイチャーグループでは、定期的にWEBセミナーやWEBでの資料配布なども行っている。また、電話、オンラインまたは対面による無料相談を受付中。この機会に、自らの税金対策・資産運用について再考してみてはいかがだろうか。
2021年1月13日 文藝春秋にて開催
source : 文藝春秋 メディア事業局