社会を数学で理解する

第22回

大栗 博司 物理学者
ビジネス サイエンス

 物理学者である私は、この連載では、毎年ノーベル物理学賞の内容を紹介してきました。

 ノーベル賞といえば、日本人研究者の受賞が相次いでいる生理学・医学賞、物理学賞、化学賞という理工系の3分野が注目されています。

 一方、同じ「ノーベル」の名前がついていながら、日本ではあまり話題にならない賞もあります。今回とりあげる経済学賞です。

 物理学賞などとは異なり、「ノーベル経済学賞」は、ノーベルの遺言で設けられた賞ではありません。正式名称は「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」で、スウェーデン国立銀行が創設したものです。

 また、受賞者の多くが米英の大学に所属しており、受賞分野が偏っているとの指摘もあります。

 それでも私が経済学賞の行方に注目しているのは、現代社会の制度や経済成長の仕組みを、数学やデータを用いて理解しようとする試みの中でも、とくに優れた成果が凝縮しているからです。

 自然界の法則を探る物理学とは異なり、経済学は人間社会を対象とします。データが複雑なため予測も難しくなります。それだけに「どこまで数学が通用するのか」に注意し、慎重に理論を組み立てていきます。

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source : 文藝春秋 2026年2月号

genre : ビジネス サイエンス