マヂカルラブリー(お笑いコンビ)

令和の開拓者たち 第18回

中村 計 ノンフィクションライター
エンタメ 芸能
2017年に抹殺されかけた2人は、同じステージで頂点に君臨した——。「しゃべらない漫才」異色のM-1王者の内面に迫る。

漫才の革命児

 客席から時折「ひぃーっ!」と苦し気に息を吸う音が漏れる。

 ステージでは、長髪の男が床の上に背中を付け、激しくのたうち回っていた。

 それだけなのに客は呼吸もままならぬほどに笑い転げている。

 2020年12月20日、漫才日本一を決めるM-1グランプリの最終決戦。そこに残れるのは、決勝に出場した10組のうち、ファーストラウンドを勝ち抜いた3組のみ。2番目に登場したのは、結成14年目のマヂカルラブリーだった。

 2人が披露したのは「つり革」と呼ばれるネタだった。

「負けた気がするから、2度と、つり革つかまらないわ」

 そう宣誓し、大きく揺れる電車の中で、つり革につかまらない男を演じるのは、アヤシイ雰囲気を漂わせるボケ役の野田クリスタル(34)。

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source : 文藝春秋 2021年3月号

genre : エンタメ 芸能