鎧戸ははたりと落ちき玉の緒のふいにしぼめるそのゆふつかた

　上げ下げ窓を音なく閉（さ）せば玻璃に浮くたれもかれものいとしき面輪

　もとほるは猫の魂（たま）とも桃畑のいまだかそけき桃の魂（たま）とも

　経筒のごとき姿の花の笠暮れ初む路にすつくりと立つ

　白猫の寄り来てはやはらかく去るこなたに白き闇を残して

　はじまりはひとつ鎖目　かぎ針の先よりふつとこの世に生れき

　定命（ぢやうみやう）の櫛目を通す青き泡のしぼみてゆける夕べの浜に

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録！

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初月300円で購読する

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

年額プランを購読する

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版＋雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

電子版+雑誌プランを
購読する

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
※雑誌プランについて詳しく見る

既に有料会員の方はログインして続きを読む

ニュースレター登録する（無料）

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題！

• 最新記事が発売前に読める
• 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
• 編集長による記事解説ニュースレターを配信
• 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
• 電子版オリジナル記事が読める

有料会員についてもっと詳しく見る

1. TOP
2. 短歌・俳句・詩
3. 定命