デビューから結婚、がん闘病、お別れまで……
6月22日の夜、事務所の社長から電話があり、「麻央ちゃんが亡くなった」と知らされました。その瞬間に、頭の中が真っ白になりました。訪れることがないと信じ祈っていた日々。5年後、10年後、いや20年後も元気でいてくれたら、と願っていました。亡くなったという実感が湧かず、涙も出てこなかったのですが、その日はまったく寝られませんでした。
翌日、自宅に伺って久しぶりに彼女の顔を見たとたん、胸にこみ上げてくるものを抑えきれず、涙が止まりませんでした。一緒に仕事をしてきた日々のことが、次から次へと思い出されてくるのです。
「お疲れさま」
月並みですが、そう言葉をかけるのが精一杯でした。
小林麻央さんが34歳の若さで亡くなった。2014年に乳がんを告知されてから、2年8カ月に及んだ闘病の末だった。自らの病状を詳細に綴った彼女のブログは、同じ病に苦しむ人たちへの優しさに満ち溢れ、多くの人々の共感を呼んだ。
上智大学在学中に芸能界入りした彼女を、芸能事務所、セント・フォースの菅大善氏は裏方として14年間支え続けてきた。またTBSの局アナだった姉の小林麻耶がフリーとなってからは彼女も担当。その菅氏が、麻央さんとの日々を振り返った。
麻央――私は「麻央」と呼んでいましたので、普段どおりの言葉遣いにさせてください――。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2017年08月号